M.J.Q. “Concorde”

結局3月4日(日)はどうにかなりそうだ。
期せずしてショスタコーヴィチが呼んでいるような。ソビエトの巨匠の実際の音に触れるたびに、ショスタコーヴィチという音楽家の類稀な天才を実感し、やっぱりこの人は実演を聴かない限り語れないものだと痛感する。
大袈裟だけれど、与えていただいた幸運(第14番、第7番、そして第4番という個性的なシンフォニーをたったひと月の間に経験できる幸せよ)に感謝し、チャンスをひとつひとつものにしながらその音楽の深みを素直に堪能することにする(この際ついでに弦楽四重奏曲のいずれかも近いうちに聴いてみたい)。

ということで閏年の本年如月も残すところ1日。何だかこの月は長かった(気がする)。
そして、本日も早朝から深夜まで楽しいときを過ごさせていただいた。たくさんの方々と交わり、いろいろな話題で盛り上がる。

夜更けのモダン・ジャズ・カルテット。
今夜は流れからショスタコーヴィチか、プロコフィエフかなどと考えていたが、もう少し明るく軽くということで1955年録音のジャズ名盤。そういえば、この頃、かの巨匠は何をしていたか?そうやって歴史的横割り視点で音楽界をひもとくと興味深い。

ショスタコーヴィチは最初の妻ニーナを亡くし、それを追うかのように母ソフィアをも亡くし失意のどん底にあったような時期。そんな中でもヴァイオリン協奏曲などの名作をいとも容易く生み出すのだから創造の泉は枯れるどころか、悲劇によって逆に煽られるかのよう。繰り返すが、やっぱりいろんな意味で天才である。

The Modern Jazz Quartet:Concorde(1955.7.2録音)

Personnel
Milt Jackson(vibes)
John Lewis(piano)
Percy Heath(bass)
Connie Kay(drums)

久しぶりに聴いたこの「コンコルド」は殊のほか沁みる。
名曲“Softly, As in a Morning Sunrise”、バッハの「フーガの技法」を用いたアレンジが粋。
そしてジョン・ルイスのオリジナルでタイトル曲の”Concorde”!!短い曲だが、同じく「フーガの技法」を採用している点が見事。

ところで、M.J.Q.については包括的にアルバム等を俯瞰したことがないので詳しくは語れない。
どうもヴィブラフォンの音色がそれほど得意じゃないもので、天才だとわかりながらミルト・ジャクソンを敬遠してきたから。そういえば、昔ジョン・ルイスもバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を録音してたんじゃなかったっけ?あれも一時期話題になったし、借りて何度か聴いてみたものの好きになれなかった。今の耳であらためて聴いてみたらどう感じるのだろうか?


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。

日比谷にも行けるんですね!! 素晴らしい!!!

ところで、ショスタコは熱烈なサッカーファンという一面がありました。
公式審判員の資格までとるほどだったそうです。
http://www.athlete-bank.jp/column/2008/1224_38.php

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E9%87%91%E6%99%82%E4%BB%A3_(%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81)

今日私は息子と豊田スタジアムで、サッカー日本代表の
ワールドカップ3次予選「日本×ウズベキスタン」を観戦します。
カテゴリー1の中の、しかも特等席が取れました。じつに楽しみです。
これもショスタコ理解につながるのかな?

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
ついつい悪魔の声に負けてしまいました・・・(笑)。

ところで、ショスタコのサッカー狂の話は知っておりましたが、ご紹介の記事を読んでみてよっぽどだったんだなと思いました。彼が亡命しなかったことも含めて、祖国愛が相当強かったんでしょうね。
そう考えると、彼の作品には「祖国を愛するがゆえ」の精神が常に宿っているように思います(二枚舌的要素も含め)。

>今日私は息子と豊田スタジアムで、サッカー日本代表の
ワールドカップ3次予選「日本×ウズベキスタン」を観戦します。

よかったですね。
残念ながらサッカーには疎いですが、おっしゃるようにショスタコ理解につながるんでしょうね。

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