Simon & Garfunkel’s Greatest Hits

simon_&_garfunkel_greatest_hits幸せというのは不幸があるから認識できるのであって、ずっと幸せだったらそれが幸せなんだとわからないでしょうね。成功というのも同じく。失敗したことがなければどれが成功という状態なのかはわからない。
結局、相対する何かがあって、それとの比較で人は「今」を判断しているということ。ということは相対物の中に入り込んでしまえばすべてが「中庸」に帰すということでしょう。
ただし、あくまでその時に客観的にものを見る目は持っていないと。内側だけに埋没すると何も見えなくなる。それこそ全体観を養うべきだという最も大きな理由。
「さよなら渓谷」を観て、思ったことを書いたが、数時間経ってあらたに思ったこと。実に深い映画。

さて、こういう日は過去に浸ることにする。(しがみつくのではなく、あくまで浸る。その上で客観的に)

「オリジナル」と名のつく、1972年のいわゆるベスト・アルバムなのだけれど、実にこれがスタジオ盤にはないライブ演奏が収録されており、アート・ガーファンクルのあの透き通った聖なる(?)声はスタジオ録音以上に神々しいものだとあの頃随分感心したものだ。
あれから30年という時を経る。久しぶりにアナログ盤を聴いたけれど、プレーヤーにセッティングして針を徐に下ろすまでの儀式こそがオーディオ機器で音楽を供する喜びの一端だったことをあらためて感じる。特にCD発現以前の、60年代、70年代のレコードはやっぱりアナログ(音盤そのものも前後の儀式も)に一日の長あり。

完璧な選曲(これこそプログラミングの妙というのか・・・)。ポール・サイモンのセンス抜群の作曲能力。そして、アート・ガーファンクルの圧倒的歌唱能力。不世出のデュオが生み出したアルバムはわずか数枚だけれど、楽曲のすべてに血が通い、数十年を経た現代でも、否、現代にこそ通じる歌詞と音楽をもつ。

A面の“Mrs. Robinson”にはじまり、B面の”Cecilia”に終る全14曲。
中で挿入されるライブ録音は、”For Emily, Whenever I May Find Her””The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy)”、”Homeward Bound”、”Kathy’s Song”の4曲。
いずれにおいても、復活以前の、当時の彼らのハーモニーの素晴らしさが見事に体感できる。

Simon & Garfunkel’s Greatest Hits

その他の超有名曲についてはもはや僕がここで書くことは何もない。
いつどこでどんな風に耳にしても感動的な不滅の楽曲群。
「音のない音、すなわちサウンド・オブ・サイレンス」はいつ聴いても痺れる。
「ボクサー」はかっこ良過ぎ。
「明日に架ける橋」は最高!
「スカボロー・フェアー/詠唱」は美し過ぎ。

 


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