Led Zeppelin IV (Deluxe Edition 2014)を聴いて思ふ

led_zeppelin_4073レッド・ツェッペリンの普遍性は、ジミー・ペイジの広範な音楽的趣味と、それによって自ずと培われた精神性に依るところが大きい。
例えば、”Dazed and Confused”(幻惑されて)にインスピレーションを与えたのは、何とクシシュトフ・ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」だとペイジは語る。

初めて聴いたのは美大に通ってた頃のことだね。この頃はマーキー・クラブの休憩時間中にブルースを弾かせてもらったりしていたんだよ。

また、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」における特殊効果もすごいものがあって、チェロ奏者などは弓を逆さまにして使っているんだよ。だから、木の部分による打楽器的な効果を聴くことになるわけだね。かと思ったら、楽器のブリッジの端を弾いているとか。空恐ろしくなってくるような効果の指定なんだ。

というわけで、ぼくがギターを弓を使って演奏するようになった時(「幻惑されて」)、こうしたことは全部イメージしていたわけだね!
KAWADE夢ムック「レッド・ツェッペリン」P116-118

あるいは、ウォルター・カルロスの「時計じかけのオレンジ」を採り上げて彼は次のようにも言う。

この映画は不穏な作品だけど、このサントラもまた同等に不穏な作品なんだ。あまりにも個性的で、ちょっとした部分を聴いただけでも「時計じかけのオレンジ」だとすぐにわかるくらいなんだよ。ほとんどペンデレツキとかリゲティ・ジェルジュと同じで、決定的な個性があるんだよ。どうやって形にしたのかは知らないし、ぼくが知っているのはぼくが聴いたものだけで、それはつまり出来上がった作品だったわけだけど、これはベートーヴェンを鮮烈に消化して編曲したような作品なんだよ。
~同上書P118-119

この耳の良さ!そしてセンス!!あるいは音楽に対する貪欲さと吸収力!!

初期の3作品が昇華され、レッド・ツェッペリンのひとつの結論として1970年代初頭に姿を現したアルバムが、ジミー・ペイジの手で再びリマスターされ、リリースされた。

Led Zeppelin IV (Deluxe Edition 2014)

Personnel
John Bonham (drums)
John Paul Jones (bass guitar, electric piano, mellotron, mandolin, recorders, EMS VCS 3, acoustic guitar)
Jimmy Page (electric and acoustic guitars, mandolin, production, mastering, digital remastering)
Robert Plant (lead and overdubbed backing vocals, tambourine, harmonica)

あまりに有名になり過ぎた”Stairway To Heaven(天国への階段)はもとより、アルバム中のすべての作品が今ここで生み出されたかの如くの迫力に満ち、繰り返し聴き込んだ僕たちをあらためて興奮の坩堝に巻き込む。とても40年以上前の作品とは思えない。特にこの4作目はどうしても「通し」で聴かねば意味をなさないことをまたもや確信。

ちなみに、今回のリマスターによって、音圧がより高くなり、音の分離も良く、各パートが明確に「聴き取れる」点は素晴らしい(あくまで個人的感覚だけれど)。

 

ブログ・ランキングに参加しています。下のバナーを1クリック応援よろしくお願いいたします。


日記・雑談(50歳代) ブログランキングへ


1 COMMENT

Led Zeppelin IV (The Companion Disc) (2014) | アレグロ・コン・ブリオ へ返信するコメントをキャンセル

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む