“Never Mind The Bollocks Here’s The Sex Pistols”を聴いて思ふ

never_mind_the_bollocks_sex_pistols292既存のものを打ち破る革新がいつも大切だ。
それには「居場所」に埋没してはいけない。常に自身を客観視し、いつどんな時も動けるようにしておかねば。そう、ある意味「アナーキー」であること。

かれこれ30年前、セックス・ピストルズを初めて聴いた時は受け容れ難かった。
それまでクラシック音楽一辺倒で、ようやくビートルズに開眼し、その流れでクリムゾンやイエスをはじめとするプログレにはまり込んでいた僕には強烈過ぎた。
しかし、彼らが当時のシーンを創出し、後年に至るまで多大な影響を与えているのだから、避けては通れなかった。
いまここにあらためて思う。
実にエポック・メイキングな、大変なアルバムだ。

Never Mind The Bollocks:Here’s The Sex Pistols

Personnel
Johnny Rotten (lead vocals)
Steve Jones (guitar, bass guitar, backing vocals)
Sid Vicious (bass guitar)
Glen Matlock (bass guitar)
Paul Cook (drums)

破壊は創造と裏表。さしずめ彼らがやってのけたことは一見破壊に見える創造であったということ。何ともアイロニカルで批判的、しかし愛のこもる歌詞が素晴らしい。

女王陛下万歳!
ファシスト政権が
あんたを低能にしちまった
水爆にだってなりうるぜ
(訳:沼崎敦子)

“God Save The Queen”の、直線的で挑発的な音楽にひれ伏す。 そして、“Problems”の40年近くのもとは思えない真の新しさ。

あまりに多くの問題 ああ なんだってオレはここにいる?
おまえの考えはあまりにバレバレだから
オレらしく行かせてくれ
(訳:沼崎敦子)

さらには、名曲”Anarchy In The U.K.”の、底なしの爆発力と廃れない斬新さ。

オレは反キリスト主義者
オレは無政府主義者
ほしいものはわかっちゃないけど
手に入れ方だけはわかってる
通行人をぶっ殺したい
アナーキーに生きたいからさ パシリなんてまっぴらだ
(訳:沼崎敦子)

それにしてもラスト・ナンバー”EMI”の揶揄たるや・・・。

まさに無制限のばらまき
どうしてって理由もないのに
そうだよ すべては策略だったんだ
連中は評判をとるためにあんなことしただけさ
誰のことかって?
EMI EMI EMIさ
(訳:沼崎敦子)

もはや僕が語ることは何ひとつない。ただひたすら耳を傾けるべし。
40分ほどの奇蹟。

 

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