Brian Wilson presents Pet Sounds 50th Anniversary Japan Tour

brian_wilson_presents_petsounds_2016世界には「今」しかないのだと痛感する。
50年の時を経て、また、10数年ぶりにステージで再現された「ペット・サウンズ」を聴いて、その場の皆が熱狂した。(前回の来日公演に比較しても)明らかにブライアンの声は衰えていた。それでもその「慈しみ」に満ちる歌唱に僕たちは感動した(高音が出にくくなったパートはマット・ジャーディンが見事な歌でサポート)。

長いようで短い、そして短いようで長い半世紀・・・。
あらためて聴き継がれてきた奇蹟を目の当たりにした。
クリエイターとしてのブライアン・ウィルソンの才能は無量であるが、それより何よりアル・ジャーディンのエネルギーに僕は感動。二人のビーチ・ボーイズの掛け合いが本当に素敵だった。

Brian Wilson presents Pet Sounds 50th Anniversary Japan Tour
2016年4月13日(水)
東京国際フォーラムホールA

Personnel
Brian Wilson (piano, vocals)
Al Jardine (guitar, vocals)
Blondie Chaplin (guitar, vocals)
Paul von Mertens (horn, vocals, musical director)
Darian Sahanaja (keys, vocals)
Nick Walusko (guitar, vocals)
Mike D’amico (drums, vocals)
Probyn Gregory (guitar, horns, vocals)
Nelson Bragg (percussion, vocals)
Scott Bennett (keys, vocals)
Bob Lizik (bass guitar, vocals)
Gary Griffin (keys, vocals)
Billy Hinsche (keys, vocals)
Matt Jardine (guitar, vocals)

定刻から若干過ぎた頃にバンド・メンバーの登場。
そして、最初の曲が奏でられる。

第1部
・Our Prayer
・Heroes and Villains

お決まりである。不安定なブライアンの歌もご愛嬌。冒頭から熱い。
そして、往年のヒット曲が次々と・・・。

・California Girls
・Dance, Dance, Dance
・I Get Around

ブライアンのソング・メイカーとしての力量に感服。旧き良きアメリカン・ロックの神髄。
ここで、アル・ジャーディンにリード・ヴォーカルを渡して3曲。

・Shut Down
・Little Deuce Coupe
・Little Honda

アルの歌唱が素晴らしい。彼のMCによりもう1曲別のモーターサイクル・ソング、初日にはなかった”Little Honda”が披露された。
続いて、ヴォーカルはブライアンに戻される。名曲”In My Room”。

・In My Room
・Surfer Girl

さらにまた、アルの息子マットにヴォーカルを変わっての”Don’t Worry Baby”。

・Don’t Worry Baby

その後はアルのエネルギッシュな声に感動。

・Wake the World
・Add Some Music to Your Day
・Then He Kissed Me
・Darlin’

名曲からレア曲まで一気呵成に紡がれるそのステージに聴衆は静けさを保ちながら聴き入った。それにしてもダリアン・サハナジャをメイン・ヴォーカルにした”Darlin’”の美しさ。
さらにはブライアンの最新アルバムから1曲。

・One Kind Love

その上で、ブロンディ・チャップリンによる3曲。実に巧い。

・Wild Honey
・Funky Pretty
・Sail On, Sailor

20分の休憩を挟み、ついに”Pet Sounds”完全再現。正直ブライアンの衰えが如実ではあったけれど、もはや言葉では表現できぬ。この不滅のアルバムを「実演」で聴けるのはおそらく最後だろうから。

第2部
・Wouldn’t It Be Nice
・You Still Believe in Me
・That’s Not Me
・Don’t Talk (Put Your Hand on My Shoulder)
・I’m Waiting for the Day
・Let’s Go Away for Awhile
・Sloop John B
・God Only Knows
・I Know There’s an Answer
・Here Today
・I Just Wasn’t Made for These Times
・Pet Sounds
・Caroline, No

一部の隙もない流れ。50年も前の音楽であるとは思えない斬新さ。演奏は実にリアルで熱気が凄かった。
アンコールはビーチ・ボーイズの名曲メドレー。ここで聴衆の熱狂は最高潮に達し、会場が(本当に)揺れた。ポップ・ミュージックの持つ底知れぬエネルギ・・・。恐るべし。

アンコール
・Good Vibrations
・All Summer Long
・Help Me, Rhonda
・Barbara Ann
・Surfin’ U.S.A
・Fun, Fun, Fun
・Love and Mercy

ブライアン・ウィルソンはまさに繊細で愛に溢れる人だ。
今日の彼の歌唱以上に老練の、また優しい歌はない。
何だか哀しくて・・・、良かった。

 

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