のに・・・

ふと開いた書物から気になった言葉。「観想」生活のすすめ・・・。
「観想」とは、活動(Action)という言葉に対するもので、英語ではContemplationという。すべてのことから離れて、静かに、深く考えるということだ。
要は、やるべきことが多く、忙しくて時間がないときほど「独り静かに自身を省みる」時間を持てということである。確かに・・・。
仕事や家庭で、四六時中時間に追われていると、本を読む暇さえなくなるという人も多い。音楽を聴く余裕もないという輩も多いことだろう。「やりたいこと」を減らすのではなく、「自省する」時間をとることが大事だ。

久しぶりに「相田みつを」の作品集を開く。

あんなにしてやったのに
「のに」がつくと
ぐちが出る

確かに・・・。
人は自分に固執している。他人が悪いのではない。世の中のせいでもない。答えは必ず「自ら」の中にある。「独り静かに省みる」時間を持たねば答えは見つからない。

そして、久しぶりに取り出したイタリア・オペラのCD。今年はマリア・カラス没後30年である。この不世出のソプラノが逝ってすでに30年か・・・。感慨深いものがある。カラスといえば「トスカ」。

プッチーニ:歌劇「トスカ」
ヴィクトール・デ・サバータ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団及び合唱団
マリア・カラス(ソプラノ)
ジュゼッペ・ディ・ステファノ(テノール)
ティト・ゴッビ(バリトン)ほか

トスカの中で最も有名なアリアは、第2幕で主人公のフローリア・トスカが歌う「歌に生き、愛に生き」。
「ひたすら人のために尽くしてきたのに・・・
神を信じ、正しく生きてきた私を、なぜ神は見捨てるのか・・・」
悲痛に訴え、カヴァラドッシの助命を嘆願するトスカ。

美しい歌唱だが、愚痴に聞こえるのは僕だけなのだろうか。
信仰心厚く、貧しい人々に手を差し伸べてきたというトスカであるが、一体何を信じてきたのだろう?

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