George Harrison “My Sweet Lord” (1970)

盗作で訴えられ、裁判で結果的に敗訴した名曲。
確かに原曲(The Chiffons ”He’s So Fine” (1963))とは相当に似ているけれど、おそらく偶然、というか意図的に創作したものでないことはジョージ・ハリスンのその後のコメントを見てもわかる(本人の談を信じるならだけれど)。実は盗作問題は、1971年にリリースされたJody Millerによるシフォンズのカヴァーがアレンジ含めハリスンのものと酷似していたことに端を発しているのだが、おそらく録音時期(1971年2月17日)を考えると、こちらの方こそハリスンからの盗作ではないかと思うくらいそっくりだ。ただ、問題はシフォンズの楽曲を管理する会社が結果数年後にハリスンを訴訟したことにあるだろう。それは、ハリスンが語るようにたぶんお金目当てであったように思われる。

楽曲は、創造主を讃えるシンプルな歌詞とマントラで構成され、アコースティック・ギターによる(バッド・フィンガー)有名なイントロから心にぐっと迫って来る傑作だ。ビートルズ解散後のジョージの才能をこれでもかと見せつけたアルバム”All Things Must Pass”の、東洋に影響を受けた、スピリチュアルな楽曲たちはどれもが熱く、美しく、素晴らしい。

・George Harrison:My Sweet Lord (1970)

Personnel
George Harrison (vocals, acoustic guitar,slide guitars, backing vocals)
Eric Clapton (acoustic guitar)
Pete Ham (acoustic guitar)
Tom Evans (acoustic guitar)
Joey Molland (acoustic guitar)
Peter Frampton (acoustic guitar)
Billy Preston (piano)
Gary Brooker (electric piano)
Klaus Voormann (bass)
Ringo Starr (drums)
Jim Gordon (drums)
Mike Gibbins (tambourine)

The chiffons “He’s So Fine” (1963)

Jody Miller “He’s So Fine” (1971)

ちなみに、ジョディ・ミラーのカヴァー・ヴァージョンは、ジョージの”My Sweet Lord”を参考にしてアレンジされたよう。そのことが結果、訴訟問題において火に油を注ぐ形でジョージ側を不利にしたとジョージは回想している。

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