平成21年3月3日

brahms_doppelkonzert_bernstein.jpg音程の違う2つの弦楽器、ヴァイオリンとチェロが織り成す調べはどうしてこうも美しく魅力的なのだろう。片や女性的な包容力と創造力豊かな天国的な音色を紡ぎ出し、片や男性的な重厚さと地に足の着いた響きを生み出す。おそらく人間が作り出した楽器の中で、1、2を争う「高次のエネルギー」を創出する器械なのだろうと思うのだが、その2つの楽器が一緒に音を奏でるとき途轍もない調和を生む様は見事である。
友人同士でも夫婦でも、相手にない部分を互いに補完し合うことでシナジーを生む。1+1は2ではなく、4にでも10にでもなるのである。

先日、とある経営者の会で知遇を得た株式会社リトル・ママの森社長とお会いした。愛知とし子の今年のテーマが「赤ちゃんとお母さんのための癒しのコンサー
ト」であるため、彼女を引き合わせるためにアポイントをとったのである。1時間半近くにわたってリトル・ママのことを伺い、我々は我々が目指すビジネスについて語り、相応の収穫があった。細々と個人向けにサロンを開催する分には口コミで十分だが、やはりビジネス展開するとなるとそれなりの宣伝を考えないといけないし、それにはこのサイトを活用させていただくことが近道になるのではないかと思った次第である。

今朝、東京法務局新宿出張所に会社登記申請書類を提出した。ほぼ問題なく受理されると思うので、晴れて法人化ということになる。「3」という調和の数字にあやかり、もともと屋号は「オーパス・スリー」としていたが、どうせなら3月3日に登記してしまおうと急ピッチで書類作成を進めたのである。ともかく日々精進して少しでも成長できるよう頑張る所存。

ブラームスを聴く。まずは、講座のテーマ曲である交響曲第1番ハ短調作品68(最近発売された朝比奈先生と都響による96年のライブ盤)。そして、ツィマーマンがラトルと再録したピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15。そして、

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調作品102
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ブラームスが第5番目の交響曲として構想したものの、結局は二重協奏曲という形で発表された傑作。楽曲の試演を聴いたクララは必ずしも全面的に肯定的ではなかったようだ。長年の友人であったヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムとは、「離婚騒動」をめぐってしばらく不和な状態が続いていたが、この楽曲の作曲を機に和解に向かったことからクララにより「和解の協奏曲」とも呼ばれているようだ。まさに人間関係までをもスムースに構築するエネルギーをもつ感動的な作品。

久しぶりに聴いたが、1980年代にバーンスタインがウィーン・フィルと録音した一連のブラームス作品はどれも一級品。


2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
3月3日、いろいろな意味でお目出度い日です。たしか「耳の日」でもありますよね。門出にぴったりですね!
「ドッペルコンツェルト」も傑作ですね。ブラームスの協奏曲は、どれも交響曲のようにオケのスコアも重厚ですし、聴きごたえがありますね。私はシェリングとシュタルケルの盤が昔から好きです(ハイティンクの仲人には興味がないですが・・・笑)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2722220
私ブラームスの音楽は好きなんですが、クララとの逸話を聞くと、途端にパブロフの犬みたいに条件反射的に反発してしまいます。残念なことです。普段彼の音楽を聴いたり弾いたりする時はそんなことは全く意識していませんので、彼の人生をこれ以上掘り下げて追及しないほうが、私にとっては音楽との幸せな付き合い方が出来そうです。知らないほうがいいことも、世の中にはあるということを、この件で実感できました。
「和解の協奏曲」、夫婦の「和解」でイメージするのは、私の場合、何といってもモーツァルトの「フィガロの結婚」です。
※3月6日、会議で久しぶりに東京に行きます。昨年の7月以来です。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
そうそう、「耳の日」というのも実は懸けています。
ご紹介の盤は未聴です。シェリングとシュタルケルという組み合わせが魅力的ですね。確かにハイティンクはどうでもいいです(笑)。
>クララとの逸話を聞くと、途端にパブロフの犬みたいに条件反射的に反発してしまいます。
ここのところ僕もブラームスについていろいろと文献を読んでいますが、クララとの関係については本当に「謎」ですね。というのも、一方で他の女性との恋愛や婚約という事実もありますからね。クララの娘であるユーリエにも恋をして言えなかったという事実もあるくらいです。本当にマザコンで「びびり」だったんでしょうね。
ま、ともかく音楽はどれも素晴らしいので堪能しましょう。
6日にいらっしゃるんですか!時間があればまたお会いしたいですね。

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