久しぶりの「音浴じかん」。日曜日ということもあり、赤ちゃんとお母さんだけでなく、お父さん同伴でご参加いただけた方が多かった。未就学児童がいる場合、家族で揃ってピアノの生演奏を聴くという行為は一般的にはなかなか難しい。最近では、コンサートなどでも未就学児童可というものも少しずつ増えてきてはいるが、100人単位の参加者に不満が出ないようにケアしながらイベントを進行させるというのは実際難しい。拙宅のように小さな部屋ではあるが、10組くらいの家族が集まって和気藹々と良い音楽に触れ、楽しくランチを共にするということは、たとえお互い見知らぬ者同士であったとしても、すぐさま壁が取っ払われる。コミュニケーションにおいて、音楽は薬のようなものにもなり得るということだ。今回は、「♪親子で楽しむ楽器演奏♪」コーナーも設け、「赤鼻のトナカイ」と「くるみ割り人形」から『トレパック』の音に合わせて皆で合奏した。0歳児といえども音楽には敏感で、結構こういう動きに反応するのが素敵な発見。
出雲大社のお守りをいただく。それも「えんむすび」。「えんむすび」とは何も恋愛や結婚に限ったことではない。仕事の縁というのも大事な「えん」だから。10月に出張で旅をした際、ふと僕の顔が浮かび、直感的に僕にだけわざわざ買ってきてくれたのだと。本当にグッドタイミング。ありがとう。縁が縁を呼び、人と人がつながっていく。人間ひとりの力など大したものじゃないが、「つながり」こそがひとりひとりの潜在能力を引き出すスイッチなんだ、そんなことをあらためて感じた一日だった。
元気の出る音楽。
チャイコフスキー:祝典序曲「1812年」作品49
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団
ボリショイ劇場管弦楽団金管セクション
行き詰まりを感じたときに聴くとスカッとする、そんなような派手でわかりやすい音楽。先日のゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管の演奏もそうだったが、ロシアのオーケストラの力、特に金管パワーは意気消沈した気持ちを一気に目覚めさせてくれる。
ところで、この音盤にはチャイコフスキーの最初のシンフォニー、交響曲第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」も収められている。昔からチャイコフスキーには妙な先入観(例えば、メロディは美しいが浅い)があり、初期の3つの交響曲に対してまったく聴き込みが足りない僕にはこの楽曲について云々する力量も資格もない。ただ、「ながら」で聴いてみても時折ハッとする旋律に溢れており、若い頃からチャイコフスキーはやっぱりチャイコフスキーだったんだということがよくわかる。この歳になってじっくりとこのあたりの音楽を堪能するのもよかろう。若気の至りのような冗長さが玉に瑕といえば玉に瑕だが、逆にメロディの宝庫ということだ。スヴェトラーノフの指揮については今更僕が何かを申すまでもない。超名演!!
おはようございます。
今年「アレグロ・コン・ブリオ~第2章」では、チャイコフスキーの話題も多かったですね。チャイコフスキー・ネタで、最近のいくつかの発見や思い付いたことを絡めまして・・・。
以前に話題にしました交響曲第6番「悲愴」で第一楽章展開部直前のPPPPPPに消えゆくファゴットをバスクラリネットで代奏する現在の慣習の件ですが、これは往年の名指揮者アルトゥル・ニキシュが考案したらしいです。『ウィキペディア』にも記載がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A5
ちなみにゲルギエフは、数少ないオリジナルのファゴット派でしたよね。
ニキシュの指揮するチャイコフスキーも聴いてみたかったですね。きっとメンゲルベルクやアーベントロートのような、テンポを揺らす超ロマンチックな、19世紀的な濃い演奏スタイルだったことでしょうね。
ところで、先日聴いたエクストンの新譜SACD、インバル&都響の「チャイ5」のライヴ録音は超名演でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3698310
インバルやクーベリック、テンシュテット、ベームなどについて「バカの壁」の宇野さんだけは、レコ芸誌上でおそらく推薦マークを付けないでしょうが・・・(どんな評価か楽しみ・・・笑)。
それにしても、エクストンのチャイ5の名盤は多いですよね。コバケン(3種類)、マーツァル&チェコフィル、ラザレフ&読響、個人的に好みではないけれどアシュケナージ&N響、そしてこのインバル&都響などなど・・・。江崎社長は、余程この曲が好きなのですね(笑)。
実際チャイ5はプロでもアマでも、演奏する側にとっては、後期の3つの交響曲の中で一番楽なのです(フォルムをまとめやすく第2楽章のホルン・ソロを除いて技術的難所が少なく名演になりやすい)。総合的に、5、6、4の順に難易度が上がります。だから、アマオケは5番、6番はよく演目に乗せるけど、4番は乗せたがらないんです。
しかし4番は、金管の扱いなどがメチャメチャカッコよく、上手いオケほど演奏効果抜群なので、特に管の連中にとっては憧れの曲なんです。私もスコアを眺めて、4番に最もメカニカルなカッコよさを感じます。
初期の3曲の中では、やはり1番「冬の日の幻想」が最も名曲であることに間違いはないでしょうね。ただ、4~6番があまりに素晴らし過ぎるので、みんな演奏したがりませんし、聴きたがりませんよね。残念なことです。
「1812年」もアマ・オケで演奏したことがありますが、この曲もやり甲斐があります。演奏する側としては、何だかんだ言っても最期に「ブラボー」と叫んでもらえそうな曲をやりたいものです。みんな単純なんです(笑)。
チャイコフスキーとラヴェルは、クリスマスケーキのような色彩感のあるオーケストレーションの曲を数々創り上げたという意味で、クラシック音楽史上、飛び抜けて他を圧倒する管弦楽法の名職人・大作曲家だったと、改めて思います。
>雅之様
おはようございます。
そういえば、チャイコフスキー・ネタ多かったですかね。
確かにニキシュのチャイコは聴いてみたいですね。
>インバル&都響の「チャイ5」のライヴ録音は超名演でした。
へぇ、そうでしたか、興味深いです。おっしゃるとおりエクストンにはチャイ5の録音多いですね。僕は全てを追っているわけではないですが・・・。なるほど演奏しやすいというのがポイントなんですね。勉強になります。
>演奏する側としては、何だかんだ言っても最期に「ブラボー」と叫んでもらえそうな曲をやりたいものです。みんな単純なんです
そういうものなんですね(笑)。
>クラシック音楽史上、飛び抜けて他を圧倒する管弦楽法の名職人・大作曲家だったと、改めて思います。
同感です。