Christopher Cross

息が詰まるようなとき、心身をほぐすのにSimon & GarfunkelやChristopher Crossの音楽を耳にすると「嫌なこと、辛いこと」がすっかり頭の中から遠のき、心地良い「癒し」に満たされる。今に始まったことではない。そういえば若い頃からそうだった。久しぶりに”Scarborough Fair/Canticle”を聴く。初めて聴いたのは一般より少し遅かった。ちょうど大学に入学した間もない春先、友人が薦めてくれた音盤を早速買い求め、独りじっくりと聴いた。名曲”The Sounds of Silence”、”Mrs. Robinson”、”Bridge Over Troubled Water”など、一度聴くなり彼らの音楽の虜になった。そして、一際僕の心の琴線に触れた音楽が”Scarborough Fair/Canticle”だった。一度聴いただけでは決して真似することのできない複雑で完璧なハーモニーから発せられる得も言われぬ感動的で静謐なメロディとエネルギー。この音楽が持つ特別な力に19歳になったばかりの僕はねじ伏せられた。

同じ年、Christopher Crossが発表したセカンド・アルバム”Another Page”が、僕の周りで大いに流行った。ファースト・アルバムほどの売上を伸ばすことはできなかったようだが、この美声のAORシンガーのファンだった友人の影響で、寝ても覚めてもクリストファー・クロスという時期があった。特に、同アルバムに収録されている”All Right”は我々友人同士の間では「合言葉」になるほどだった。その”All Right”にまつわるエピソードを思い出すだけで自然に笑みがこぼれる・・・。もう27年も前の話・・・。

懐かしさから、そして自らのリラックスのために久しぶりにクリストファー・クロスを聴く。それも手っ取り早く例のフラミンゴのトレード・マークが入ったベスト盤で。人は誰しも「自由」になりたいのである。一切のしがらみから逃れ、とにかく鳥のように、あるいは風のようになりたいのだ。

The Best of Christopher Cross

“Sailing”
It’s not far down to paradise
At least it’s not for me
And if the wind is right you can sail away
And find tranquility
The canvas can do miracle
Just you wait and see
Believe me

楽園はそんなに遠くにあるものではない
少なくとも僕にとってはそうなんだ
風が正しい方向に導いてくれるなら、波に揺られて
静寂を見つけられるだろう
ただ待って見つめているだけで
カンバスが奇跡を起こしてくれるんだ
僕を信じてほしい

Sailing
Takes me away
To where I’ve always heard it could be
Just a dream and the wind to carry me
And soon I will be free

風が僕を運んでくれる
まさに夢であるかのように常々聞かされていたところへ
風が僕を連れ去ってくれるんだ
もうすぐ僕は自由になれる

2 COMMENTS

雅之

おはようございます。
田舎暮らしが好きです。植物や鉱物が好きだからです。
昔ほんの一時住んでいた町で、”Scarborough Fair/Canticle”の歌詞「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」からハーブに興味を持ち、この4種類をベランダで栽培したことがあります。日本のハーブであるシソや、山野草のタツナミソウなど、それと何故かよく増えたシャスタ・デイジーも一緒に・・・、みんな丈夫で育てやすい植物だったです。
北には雄大な富士山、南には駿河湾、その向こうには遠く伊豆半島を望むことができました。もっと長く住みたかったです。今想えば夢のような風景でした。またいつかあんな景色の中でSimon & Garfunkelを聴いてみたいものです。
Christopher Cross、穏やかな晴天に海を眺めながらの”Sailing”も最高でしょうが、夕刻、都会暮らしに思いをはせながら聴く大ヒット曲”Arther’s Theme~The Best That You Can Do”(ニューヨークシティ・セレナーデ)もよさそうですね(笑)。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
田舎は良いですよね。僕は山奥に生まれ育ったものですから、若い頃は都会に憧れて、東京に出てきました。ところが、年齢を重ねて40歳も過ぎる頃にはだんだん「自然」とのふれあいの方が大事に思えるようになりました。やっぱり人は自然と一体になって生きる方が幸せなんじゃないかと思えるのです。
雅之さんの凄いところは、例えば歌詞にインスパイアされて、具体的に研究、行動されるところだと思います。音楽から影響を受けてヴィオラも始められたのでしょうし、S&Gのスカボローフェアを聴いてハーブに興味をもたれるという「視点」が抜群です。
>北には雄大な富士山、南には駿河湾、その向こうには遠く伊豆半島を望むことができました。
確か静岡県ですよね。素晴らしい光景が思い浮かぶようです。S&Gの音楽がぴったりそうですね。
>夕刻、都会暮らしに思いをはせながら聴く大ヒット曲”Arther’s Theme~The Best That You Can Do”(ニューヨークシティ・セレナーデ)もよさそうですね
同感です!

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