新木真理子チェロリサイタル

100416_araki_mariko.jpg大学での「キャリア・プランニング講座」は毎週水曜日と金曜日にある。特に金曜日はお昼休みをはさんで2限と3限を受け持つのだが、休憩時間が50分しかない。その間、出欠の確認やコミュニケーションシートと称するミニ・レポートを読んだりなどであっという間に時間が過ぎ去ってしまう。まともに昼食をとっている暇がないので、今日から弁当を持参することにした。

弁当なんていつ以来だろう?おそらく高校生の時以来か。とすると、かれこれ30年ぶりということになる。久しぶりの「弁当」は感慨深いものがあった(笑)。

授業終了後、銀座に移動してain sophにて打ち合わせ。前向きで有意義な2時間だった。

そして夜は新木真理子チェロリサイタル。真冬のような寒さ、それも小雨降る中、都立大学駅で妻と落ち合い、目黒区のパーシモンホールに向かった。プログラムは次の通り。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調作品38
休憩
フランク:
チェロ・ソナタイ長調
~アンコール
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ブラームス:子守唄

新木真理子(チェロ)
小久保素子(ピアノ)

重厚な選曲ゆえ、楽しみに出かけた。めぐろパーシモンホール小ホールは程よい大きさで、音の響きも悪くない。
新木さんのチェロはもう何度も聴いているが、今日の演奏はぐいぐい引っ張ってゆくような印象を受け、今までの中で一番安心して聴くことができたのではないかと思う。まぁ正直に書くと、グラウンディングを意識し、もう少し重心、軸が安定するようになると、より重みのある音楽が奏でられるのではないかとも思える。バッハも、ブラームスも良かったが、やっぱり出色はフランクだろう。久しぶりにこの音楽の実演に触れたが、本当に名曲である。ヴァイオリン(今回はチェロ編曲版だが)とピアノとがほぼ同等に活躍する楽曲なので、そういう意味では伴奏が大人し過ぎたことが残念といえば残念。

明日から2日間盛岡に出張である。どうやら東北地方は雪が降るようだ。4月半ばというのに信じられない・・・。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
フランクはいつ聴いても名曲中の名曲ですよね。人気があるのは必然ですね。チェロ版の実演経験、羨ましいです。パーシモンホールもいいホールですね。
>どうやら東北地方は雪が降るようだ。4月半ばというのに信じられない・・・。
私は月曜日から2日間、東京に出張です(今回はスケジュール上、残念ながら岡本さんにはお会いすること、できませんが)。東京も寒そう。もう「なごり雪」の季節はとっくに過ぎたのに・・・。
岡本さんが今月の「早わかりクラシック音楽講座」で占星術的にも関係のあるホルストの「惑星」を取り上げられるというので、私が最近気になっている科学的に根拠のはっきりしない天文上の話を・・・。
それは、このところの太陽黒点の異常な少なさと、大地震の頻発、アイスランドでの火山の大噴火、寒暖の差の極端な気候などとの、因果関係についてです。
※このところの太陽黒点の少なさについて(本当はもっといいサイトを探したかったのですが時間がありませんでしたので・・・)。
http://www.aera-net.jp/summary/090717_000989.html
※太陽黒点と大地震の関係について気になるサイト
http://www.menokami.jp/jishin.html
また、これから地球は氷河期に向かい、温暖化の心配など必要ないという説もありますね。どう思われますか?
いずれにしても、寒波の盛岡出張、お気をつけて!!

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雅之

■コメント 続編■
ネットを探索していると、いろいろと自由研究ができます。本当に面白いです。
・・・・・・1645年から1715年にかけての約70年間、太陽黒点がほとんど見られない時期が続き、そのときに北半球の各地で異常低温気象が発生していたことが知られている。
1500年ごろから1880年ごろまでは「小氷期」といわれ、平均気温がそれ以前より0.2〜0.4度、場所によっては1度近く低くなったという。数字でいえばわずかだが、ロンドン・テムズ川やオランダの運河が毎年凍結したり、氷河が成長して沿岸部を占領したりした。何より穀物の不作などで経済活動にも大きな影響が出たという。日本の大きな飢饉(寛永、享保、天明、天保)もちょうどこのころであるーー。・・・・・・
クラシック音楽とはいわば「小氷期」に生まれた音楽だったのですね。更にネットで、次のような興味深い記事を見つけました。
バイオリンの名器『ストラディバリウス』は小氷期の賜物か:CTスキャン分析
・・・・・・3次元撮影のX線写真により、ストラディバリのバイオリンで使われている木材は、中の密度が驚くほど均一になっていて、木が成長して季節ごとに刻まれる年輪による木目の幅の違いがほとんどないことがわかった。
木の成長は、夏の方が冬よりも速いのが普通だ。冬にできる年輪の幅は狭くて密だが、夏は水分の吸収が良いため、年輪の幅は、冬に比べて広くなる。こうした年輪の幅の違いは、木材を楽器にしたときの音の質に影響する。
ストラディバリにとって幸運だったのは、彼が生きていた時代が小氷期だったことだ。[小氷期は、14世紀から19世紀半ばまで続いたという寒冷な期間。太陽活動の低下や活発な火山活動が原因とされる。ストラディバリは1644年生まれ、1737年没]
小氷期には、木の成長速度は夏も冬もほとんど変わりがなかった。そのために密度が均一な木材ができ、それから3世紀もの間、ストラディバリウスの音色の謎を解き明かそうとする専門家たちの頭を悩ませることになったわけだ。これまで、ニスの塗り方に秘密があるとか、木材を沸騰した湯に通したとか、池に浸したとか、諸説が主張されてきた。・・・・・・
[日本語版:ガリレオ-藤原聡美/小林理子]より
http://wiredvision.jp/news/200807/2008070720.html
私はヴィオラを弾くのが趣味のひとつでありながら、お恥ずかしいことに、今の今までこの事実を知りませんでした。
また、フランスでは、1783年に起きたアイスランドのラキ火山
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%AD%E7%81%AB%E5%B1%B1
の大噴火の影響による世界的異常気象の影響を受け、1785年から数年連続で食糧不足が発生し、農作物が大被害を受け、これにより生じた貧困と飢饉が、1789年にフランス革命の大きな原因の1つになったそうですね。これも漠然とは知っていましたが、詳しく調べたことはありませんでした。ラキ火山が大噴火しなければ、ベートーヴェンの傑作、交響曲第3番「英雄」も生まれなかったのかもしれませんね。
歴史を勉強することは楽しいです。手軽にネットだけでもできるのですから、いい時代です。

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岡本 浩和

>雅之様
こんにちは。
昨日は遅くまで(夜中の1:30まで)研修が続いており、しかもネット環境の整っていない山奥だったものですからコメントを見るのが遅れてしまいました。
太陽黒点の話と地球の寒暖の差の話は興味深いですね。ちなみに「雲に聞こうよ」は3年前に会員登録してよく見ていたサイトです。このサイトの情報は信憑性高いですよね。
>これから地球は氷河期に向かい、温暖化の心配など必要ないという説もありますね。どう思われますか?
こればっかりは何ともコメントし難いですね。
これからは我々が認識しているいわゆる「氷河期」ではないように思います(根拠はないですが・・・)。
ストラディバリウスの話も興味深いですね。僕も知りませんでした。
芸術活動というのは、人間の現実生活とは全く相反するところにあるもので、厳しい生活を強いられるときにこそ生まれ出るものなんだということがわかります。
芸術とはやっぱり負の美学なんでしょうね。
今、新幹線の中でこれを書いています。あまり環境がよろしくないので、
ゆっくり考察できません。せっかくの良い話題なのですが・・・。
ところで、明日から東京のようですね。お会いできないのが残念です。本件についていろいろとお話をしたかったです。

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