セゴビアの芸術

art_of_segovia.jpg明後日、銀座のain sophで1日の特別セミナーを開催するのだが・・・、
参加いただく方それぞれに意義深い、そして大いに意味のある「記憶に残る」1日にしたいと思い、スケジュール進行や内容をいま一度吟味した。
ここ数年の経験からお伝えしたいことは山ほどあるが、やはり「人間力」というテーマはぶらさず、しかもスピリチュアル的・現実生活的両方の足がかりになる内容にするということが第一か。それに全員女性だというのも面白いし、いろんな世代の方たちが「集まる」には偶然でなく相応の理由がありそうだから、その「理由」にできるだけピンポイントで体感していただけるようプログラムを考えようと思っている。

今回のポイントはやはり「関係性」のような気がする。
「関係性」を知り、「関係性」を認め、そして「関係性」を受け容れる。それにはどういうプロセスを経ればいいのか、それが大きなテーマになろう。

ところで、ここ数日、連休らしい、人並な生活を送っている。世間が遊んでいる時はもう何年も仕事漬けだったからとても新鮮だ。仕事から離れ、開放的になり、リセットするって当たり前だが重要なんだってことをあらためて実感した。昨年の夏に「ワークショップZERO」を受講していただいたある女性に1年近くぶりに会って、問うてみた。セミナーを受けて何が良かったか、と。

彼女曰く、「無条件に手放せるようになったこと」だと。ともかく何でも一人でやらなきゃという意識に占有されていた自分が、人に助けを求めることができるようになったのだと。それにより仕事の幅も広がり、プライベートでもとても自由に、そして楽になったらしい、なるほど・・・。

真夜中に聴くギターの音色は心を和ませてくれる。心に深く、深く訴えかけてくるその音楽は、人ごみ、喧騒などとは正反対の「孤独」の象徴である。

セゴビアの芸術
アンドレス・セゴビア(ギター)

1952年~70年の録音を集めた2枚組のコンピレーション・アルバム。アコースティック・ギターの、セゴビアの弾くギターの音ってどうしてこうも「自然」なのだろう。たった1本のギターによる音楽に耳を静かに傾けていると、自分の本性と自然と向き合えるようになる。そう、自らを振り返る際、あるいは省みるべき時にとてもしっくりくる「音」なのである。

ここ最近、撥弦楽器の奏法について雅之さんからご意見をいただくことで、僕もそういうことに今まで以上に興味をもつようになった。どんな世界でもそうだが、何事も深い。研究、追究の余地大いにあり、だ。お互いに知っていること、興味のあることを提示し合って、知識を深めることって刺激的だ。こういうことも「関係性」なんだろうな・・・。


3 COMMENTS

雅之

こんばんは。
セゴビアのギター音楽における功績とその偉大さは、チェロのカザルスに匹敵すると言われていますよね。残された音盤も、一部しか聴いたことがありませんので多くを語れませんが、人間味のある温かみのある演奏が素晴らしいですね。もっともっと彼の録音を聴いて、私もギター音楽について深く学びたいです。
今日も連休の行楽中で、申し訳ありませんが気が利いたコメントをする余裕がありません。
今回も、ギターについての大局的な観点でとても勉強になったサイトのご紹介でご勘弁を・・・。
[現代芸術比較文化研究]というサイト内の、鳥須 丹氏が執筆の「ギターという楽器の文化論」
http://www22.ocn.ne.jp/~comparan/guitar.htm
ぜひ、ご一読ください。
・・・・・・今日の西洋音楽で盛んに使われているほとんどの楽器の祖先は今日の中東地域で生まれたとされている。・・・・・・
東に伝わった楽器も・・・。
以前観光で接した「越中おわら風の盆」に使用される擦弦楽器・胡弓の祖先も、元を辿れば中東地域がルーツだと思うと、何だか不思議な気持ちになります。
http://www.youtube.com/watch?v=X20SLN1NfmU
人類は皆兄弟・・・。

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
>セゴビアのギター音楽における功績とその偉大さは、チェロのカザルスに匹敵すると言われていますよね。
ですね、僕もセゴビアについてはそれほど詳しくはないですが、その意味はよくわかります。
ご紹介の鳥須 丹氏が執筆の「ギターという楽器の文化論」というサイト、いやー、相変わらず勉強になります。ありがとうございます。
>今日の西洋音楽で盛んに使われているほとんどの楽器の祖先は今日の中東地域で生まれたとされている。
これは驚きでした!
ほんと、人類皆兄弟ですね。
しかし、どうして楽器の発祥地が中東だったんでしょう?

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » 芸術は神の微笑である

[…] ギター小品名曲集 ・タルレガ:アルハンブラの想い出 ・スカルラッティ:ソナタホ短調L.352 ・J.S.バッハ:ブーレホ短調~リュート組曲第1番BWV996 ・ル・ロワ:パセメッツェとポワトゥーのブランル ・J.S.バッハ:サラバンドホ短調~リュート組曲第1番BWV996 ・作曲者不詳:サルタレッロ ・タルレガ:アルボラーダ ・ファリャ:粉屋の踊り~バレエ組曲「三角帽子」 ・リョベート:2つのカタロニア民謡 ・ルイス・ピポー:舞曲第1番 ・ヴィラ=ロボス:前奏曲第1番ホ短調 ・プホール:くまんばち ・バカリッセ:パサピエ ・アルベニス:レイェンダ(セゴビア編曲) ・アルベニス:朱色の塔(イエペス編曲) ・アルベニス:入り江のざわめき(イエペス編曲) ・グラナドス:スペイン舞曲第4番(イエペス編曲) ・トゥリーナ:ファンダンギーリョ作品36 ・作曲者不詳:愛のロマンス(イエペス編曲) ナルシソ・イエペス(ギター)(1970.10&1971.8録音) 1曲目が名曲「アルハンブラの想い出」、そしてラストが「愛のロマンス(禁じられた遊び)」というクラシック・ギター音楽の王道である2曲に挟まれてスペインの作曲家やバッハ、スカルラッティの作品など19曲が収められる。秋深まる今頃にはうってつけで、何ともセンチメンタルな郷愁に誘われる。 ロビー・クリーガーは”Spanish Caravan”においてアルベニスの(というよりセゴビアの)「レイェンダ」から影響を受けていそうだ。あるいはそこから拝借しているかも。なぜならクリーガーにとってアンドレス・セゴビアは神のような存在だから。ついでにセゴビア自身の演奏による「レイェンダ」も聴いてみた。優劣つけ難いが、セゴビアの方が色気があるように感じられる(録音の関係もあるので何とも判断できないのだけれど)。 […]

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