ヴィジョン

hector_zazou_lights_in_the_dark.jpg最近考えること。ありのまま、自然体でストレスなく生きること。やりたいこと、できることを生業にすること。決して自己中心的な意味ではなく、周囲の皆との協力のもとに、特に夫婦で補完し合いながら楽しく生きていくこと。「強み」を活かし、弱点はそこの点が強い人に補っていただく。相手に求めるのではなく自分ができることは自分でやる。ともかく「自分でやる」ということ。

もう10年以上が経過する。六本木ヒルズを中心としたあの界隈の開発が始まる前、そこには僕の行きつけのCDショップがあった。1983年、すなわち僕が大学進学のために東京に出てきたその年に生まれた、今や懐かしい六本木WAVE。音楽に限らずあらゆるカルチャーの発信地として一時代を築いた、音楽好き、音盤好きの聖地。僕が今所有している音盤のおそらく半分(いや3分の1くらいか・・・)はそのWAVEで手に入れたものである。

1999年の暮れも押し迫ったある時、1枚のはがきが舞い込んできた。何と年末を持ってWAVEが閉店するというお知らせ。セールで音盤が安くなることに対する嬉しさの反面、なくなってしまうかという寂しさ。大袈裟だが、あそこにはたくさんの「思い出」が詰まっていた。とにかく悲しかった。バブルがはじけた後、タワーレコードやHMVなどの外資系ショップが日本中を席巻した。ともかく手に入りにくいレーベルの音盤もそこに行けば簡単に買うことができた。そして、現在。CDの売れ行きは不調で、外資系のショップたちもどんどん姿を消してゆく。確かにネットショッピングは便利だ。でも、店頭でジャケットを見て思わず衝動買いし、一刻も早く聴きたいと願うあのワクワク感はネットでは味わえない。進化なのか退化なのか、携帯もインターネットもなかったあの頃が妙に懐かしい。

「ありのまま、自然体で」という言葉からふと思い出した音盤。

Hector Zazou:Lights in the Dark

「アイルランド聖歌の源泉への旅」というサブタイトルを持つこの音盤を90年代の後半に僕はかの六本木WAVEで見つけた。「坂本龍一、ピーター・ガブリエルがゲスト参加」というポップも即購入に走らせた一因だが、なぜかジャケットに惹かれた。音の方はというと・・・、もちろん想像以上に良かった。

第1曲「星」で、彼方に連れ去られ、第2曲「聖母マリアの7つの喜び」で生きる歓びを味わい、第3曲「死の歌」で最初の静かなクライマックスを迎える・・・。アイルランド聖歌そのままを演奏しているわけではないので、このアルバムについては賛否両論あろうが、力まずにリラックスして「ながら」で聴いてみるのが一番。音楽そのものは「ありのまま」だから。


6 COMMENTS

雅之

こんばんは。
またまた、ご紹介のCDは未聴ですので、勉強になります。聴いてみたいです。
「ケルト」についての知識も、まだまだです。
ところで、この一カ月の間に、琵琶湖の竹生島や、中央構造線付近の、伊勢神宮、豊川稲荷など、パワースポットと呼ばれる神社仏閣を、各地のお城とともに妻と訪れています。
そんな影響もあり、雅楽に興味を持ち始めています。
※参考CD
「雅楽~平安のオーケストラ GA」
http://www.amazon.co.jp/%E9%9B%85%E6%A5%BD%EF%BD%9E%E5%B9%B3%E5%AE%89%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9-GA-%E9%9B%85%E6%A5%BD/dp/B00003WG46/ref=sr_1_5?ie=UTF8&s=music&qid=1283863987&sr=1-5
「雅楽~日本の宮廷音楽」
http://www.amazon.co.jp/%E9%9B%85%E6%A5%BD%EF%BD%9E%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%AE%AE%E5%BB%B7%E9%9F%B3%E6%A5%BD-%E9%9B%85%E6%A5%BD/dp/B00005GWCX/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=music&qid=1283863987&sr=1-4
ケルトと雅楽は、ルーツをたどれば合流するのではないか?
これは、今夜の私の直感(霊感?・・・笑)です。

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EBJ

御無沙汰しております。
「ありのまま、自然体で」。
大人を長くやるにつれて、周りに順応(?)するあまり、忘れてしまう時があります。「ひどく」忘れてしまうとバランスを崩してしまいますね。
ただ、バランスを崩しても、そんな自分の状況を受け入れ、自分で立て直せればよいのです。あのイチローもそうしています。
最近は、ある歌をきっかけに立て直しました。
合唱「信じる」 作詞 谷川 俊太郎 作曲 松下 耕
http://www.youtube.com/watch?v=tF0wtmQjT4c
「ありのまま、自然体で」というのは、自分を信じるということ。上記URLは、北海道の中学生の合唱です。中学生が体全体を使って「信じる」と訴えかけてきます。若者の美しいエネルギーをもらいました。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>琵琶湖の竹生島や、中央構造線付近の、伊勢神宮、豊川稲荷など、パワースポットと呼ばれる神社仏閣を、各地のお城とともに妻と訪れています。
それはすばらしいご体験ですね。羨ましいです。
ご紹介のCDはもちろんのこと雅楽に関してはほとんど知識がありません。いろいろとご教示願いたいと思います。確かにケルトとは共通性ありそうですね。ちょっとウェブで調べてみるだけでいくつか参考になるサイトもありそうです。
http://www.celtt.com/japan_celt.html
あと、東儀秀樹氏は下記のインタビューで次のように述べられていますね。
http://www.ezuko.com/degi-uzu/vol011-2.html
「ケルト音楽については、かなり共通点を感じています。たぶんケルトだけじゃなくて、民族意識が高いもの、それが残っている新しい音楽であれば、ほとんど同じものなんだろうなと思うんですけれども、本来人間がもっている歌心は、必ず声に揺らぎが存在すると思うんです。たまたま僕がやってる篳篥も声と同じ揺らぎを表現しているんですが、ケルトの管楽器も歌ってるように吹いているという点で、共通点を感じるんだと思います。あちらはかなり西洋であるし、僕のは東洋であるんですが、考え方としては、東洋とか西洋とかじゃないもっと原始的レベルの人間の音に対する感じ方であるように思うんです。」
なるほど、という感じです。俄然興味をもちました。ありがとうございます。

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岡本 浩和

>EBJ様
おはようようございます。
昨晩HIEDAくんとたまたま噂してたところです。最近どうしてるんだろうと。元気そうで何よりです。
>ただ、バランスを崩しても、そんな自分の状況を受け入れ、自分で立て直せればよいのです。
おっしゃるとおりです。それにしてもご紹介の合唱曲、素晴らしいですね。思わず中学生の歌に感動してしまいました。

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EBJ

噂して頂いて光栄です(笑)。
ほんと、この合唱曲は素晴らしいですね。今でも1日に20回くらい繰り返し聴いています。感動することに理屈はないのですが、惹かれる理由は、
①前奏からグッとくること
②旋律がわかりやすくて綺麗なこと
③歌詞が冒頭からグッとくること
④歌詞全体が人間力向上セミナーに通じること
⑤人は人を動かすことができるという可能性を感じさせてくれること
⑥特に子供達が物凄い力を持っているのだと感じさせてくれること
⑦総じてエネルギーが湧いてくること
などなどです。
ご存じの通り、作詞の谷川俊太郎氏は素晴らしい詩を沢山書いていますが、彼の人生にもいろいろあったようです(これから本を読みます)。
岡本さんのセミナーで数々のことを学ばせて頂きましたが、この合唱曲はそれに通じ、人間力の復興、自分を信じてあげること、そして世界を信じることを訴えています。
良質の音源が見当たらないのですが、上記URLでもいいので、岡本さんも、ヘッドホンで大音量で聴いてみてください。きっとハマることでしょう(笑)。

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岡本 浩和

>EBJ様
こんばんわ。
いや、素晴らしい。
20回くらい繰り返しているとは!(笑)
まぁ、音楽は理屈じゃないですよね。
大音量で聴いてみます。
というか、やっぱり音源探さなきゃ!!

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