コルボのモツレク

mozart_requiem_corboz.jpg先日、妻が「シンメトリカル整顔」の施術を受けて来て、とても良かったというので早速僕もアポイントをとり行ってきた。いつの頃からか噛み合わせに問題があり、写真を撮るといつも曲がったような顔つきになっていたので気になっていたこともあったし、そういう癖だからしょうがないものだと諦めていたのだが、まさかそういう施術で整えられるとは考えてもいなかった。医療というよりは美容のジャンルなので、1回の施術でどうにかなるものではないらしいが、とはいえ、ほんの少し独特の施術をしていただいただけで、確かに顔の左右のバランスが正常になるのが自覚できる。噛み合わせなど、急に正しい位置に戻るものだから少々違和感があるが、実に気持ち良い。何だか、溜まった「悪いもの」まで払拭出来たようで、すこぶる調子が良い。ただし、放っておくと簡単に元の位置に戻ろうとするだろうから、少し顔の右側を意識して物を噛んだり、生活してみよう・・・。

ところで、12月5日はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの命日にあたる。例年たいして意識はしないが、今日は何だかふと思い出した。

モーツァルト:レクイエムニ短調K.626(バイヤー版)
フラート・ベン=ヌム(ソプラノ)
エリザベス・グラーフ(アルト)
ジェフリー・フランシス(テノール)
マルコス・フィンク(バス)
ミシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽アンサンブル&ジュネーヴ室内管弦楽団(1995.9.24Live)

いかにも古楽器風の快速テンポの表現だからか、初めて聴いた時はピンとこなかったし、正直あまり好きにはなれなかった。まだまだ往年の重厚なレクイエム一辺倒で、自身の音楽的志向に対して偏りがあった時期だから、容易に受け容れることができなかったということ。

だから、これは最近になってようやく「再発見」した音盤。ライブ録音ゆえ、当然技術上の問題は散見されるが(特に後半)、それでも指揮者コルボの疾風怒濤の感情が見事に音化されていて、一期一会で聴くならおススメの音盤。何年か前、コルボのフォーレは実演で聴いた。あの時も軽やかで静謐で、何とも「祈り」のフィーリングに満たされていたのが印象的。

ちなみに、モーツァルトの「レクイエム」については、僕自身のめりこんだ時期がないので、いわゆる版の問題について詳細に云々する知識は持ち合わせない。せいぜい昔の指揮者によって一般的に使用されていた「ジュスマイヤー版」が、モーツァルトの弟子によるモーツァルトらしからぬ部分を含んだ音楽に仕立て上げられており、そのことに問題意識を持っていたドイツの音楽学者フランツ・バイヤーが、研究の末、よりモーツァルトの筆致に近い状態で復元したものがこの「バイヤー版」であるということを知っているくらい。これを機に少し真面目に勉強してみようか。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
今年の名フィル実演体験は、「スウェーデン放送合唱団 〈二大レクイエムの夕べ〉」も感動しました。
http://classic.opus-3.net/blog/cat29/2010-1/index.php#comment-2336
あの合唱団、評判通り、大変高度な技術水準で、合唱芸術の極致だと納得しました。モーツァルトもフォーレも、他の合唱団では得難い貴重な経験をしました。実に美しい演奏で、真に絶品だったです。これで私が「レクイエム好き」であるならば、今年最も印象に残るコンサートになったのでしょうが・・・。
ご紹介のコルボの再録音も、ピリオド奏法派ですし(笑)、コルボ独特の、人間の優しさ、温かさを感じさせる美が、個人的には好きです。
モツレクの版についてのサイトでは、何といっても、仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団の会報ページ「ジュラシック・ページ」の中の記事が大変な労作で超充実していて、私も最近はほとんどここで勉強しており、このサイトには感謝しています。
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/mozart/requiem.htm
どんな専門書を読んでも、ここまでの知識を得ることは出来ないのではないでしょうか。素晴らしい内容だと感心するばかりです。
でも、今年はモーツァルトの絶筆についてのマイ・ブームは、モツレクよりも断然ホルン協奏曲なんですよね(笑)。ですから、今一コメントの乗りは悪いです(笑)。やはり真のモツレク理解には、自分で合唱に加わり歌ってみる必要があるのではないかとも感じています。
男も顔ですか!
しかし、心臓は左にしかないのだし、別に顔も左右対称でなくてもいいような気もしますが・・・、男は自信を持って生きていけば・・・、
ねえ、クレンペラー先生、カラヤン先生、それに麻生先生「(゜⊿゜)」? ・・・。

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
以前コメントいただいた「スウェーデン放送合唱団 〈二大レクイエムの夕べ〉」のご体験、羨ましい限りです。
ご紹介のモツレクのサイト、これは素晴らしいですよね。こちらでこれから勉強させていただきます。ありがとうございます。
>モーツァルトの絶筆についてのマイ・ブームは、モツレクよりも断然ホルン協奏曲なんですよね
なるほど、以前話題になりましたよね。
http://classic.opus-3.net/blog/cat29/post-441/#comments
http://classic.opus-3.net/blog/cat29/post-452/#comments
しかし、気の多い僕はあれ以来、きちんと研究できておりません・・・(涙)。興味深いことなので何とか勉強してみたいと思います。
>やはり真のモツレク理解には、自分で合唱に加わり歌ってみる必要があるのではないかとも感じています。
そういうことなんでしょうね。
>別に顔も左右対称でなくてもいいような気もしますが・・・、男は自信を持って生きていけば・・・、
いやいや、外見を気にしているわけではないのです。バランスが崩れていることで、血のめぐりが良くなかったり、その他の障害につながっていることが身をもってわかるので、きちんと調整したいと思ってのことで・・・。(少しは曲がった口も気になりますが・・・笑)。

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