コンタルスキー兄弟のリゲティ3つの小品(1979.6録音)ほかを聴いて思ふ

I looked up this morning and sun was gone
Turned on some music to start my day
I lost myself in a familiar song
I closed my eyes and I slipped away

感覚にリーチするとはこういうことだ。
“Boston (2006 Digital Remaster)”を聴いた。
名作“More Than A Feeling”の、ニ長調のイントロに神を思った。たぶん、歌詞は、言葉はトム・ショルツの後付けに過ぎないだろう。大事なのは音だ。40余年を経ても刺激的で新しい音。これを、コンピュータもなしに、多重録音で、たった独りでやってのけたという奇蹟。あまりに美しい。

また、ジェルジ・リゲティを聴いた。
懐かしいコンタルスキー兄弟による2台のピアノのための3つの小品。まるで多重録音のような響き。古の音楽も、現代の音楽も、あるいはポピュラー音楽も、言葉を超えて感覚を刺激する作品は偉大だ。

I understand about indecision
But I don’t care everybody get behind
People livin’ in competition
All I want is to have my peace of mind

心の平和こそがすべて。安寧は思考を超えたところにあるのだと僕は思う。
ショルツは、”Just see Mary Ann walked away”と書いた。彼は夢でそれを見たのだ。そして、10年を経て、再び”Third Stage”で、彼女のことを彼は書いた。

Hollyann
We could live
Just to turn the world onto
Our fantasy.
And we could give
Aquarius was really meant to be.

そうして、再びリゲティ。ピアノ協奏曲の夢。エマールのピアノが永遠の音を極めて無機的に綴る。そしてまた、ブーレーズは、アンテルコンタンポランとともに世界の深淵を覗き込む。

リゲティ:クリア・オア・クラウディ
・トランペットのための「南シナ海の巨大な海ガメのファンファーレ」(1985)(1994.9録音)
ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)
・2台のピアノのための3つの小品(1976)(1979.6録音)
—モニュメント
—自画像(ライヒとライリーとともに、そして背景にはショパン)
—モーヴメント
アルフォンス&アロイス・コンタルスキー(ピアノ)
・ピアノのためのエチュード第1巻(1985)(1995.12録音)
—エチュード2「開放弦」
—エチュード4
ジャンルカ・カシオリ(ピアノ)
・ピアノと管弦楽のための協奏曲(1985-88)(1992.10録音)
ピエール=ローラン・エマール(ピアノ)
ピエール・ブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン
・ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲(サシュコ・ガヴリーロフに捧ぐ)(1989-93)(1993.6録音)
サシュコ・ガヴリーロフ(ヴァイオリン)
ピエール・ブーレーズ指揮アンサンブル・アンテルコンタンポラン

サシュコ・ガヴリーロフを独奏に迎えた協奏曲が出色。
金切り音を出し浮遊する独奏ヴァイオリンと、それに対応する管弦楽の絶妙な協奏は、大宇宙の静寂の音(逆説的だけれど)。たぶん、作曲中のリゲティは、思考を超えたところにあったのだろうと思う。

・Boston (1976)(2006 Digital Remaster)

Personnel
Brad Delp (lead and harmony vocals, acoustic guitar)
Tom Scholz (electric guitars, lead guitar, acoustic guitars, clavinet, organ, bass guitar, design consultant, remastering)
Barry Goudreau (rhythm guitar, lead guitar)
Fran Sheehan (bass guitar)
Sib Hashian (drums)
Jim Masdea (drums)

 

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