カンゼル指揮シンシナティ・ポップスのボンド・アンド・ビヨンド(1990.9.10録音)を聴いて思ふ

若い頃、僕はいわゆるポップス・オーケストラというものを侮っていた。
しかし、いつぞやジョン・ウィリアムズ指揮ボストン・ポップスの演奏を聴いてから考えが180度転回した。煌びやかな、愉悦に満ちた音色は、聴く者に天国的な気分を授けてくれる。あるいは、勇猛な金管群の咆哮は、僕たちに勇気を与えてくれる。

その昔、エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップスの演奏を聴いたときも、同様の想いが去来した。シリアスも良いが、時には文字通り音を楽しむことが大事なのだと僕は思い知った。

ジェームズ・ボンドが目の前を過ぎる。
ハリウッド映画での、音楽の力の重要さを思う。

ボンド・アンド・ビヨンド
・ゴールドフィンガー:テーマ
・ジェームズ・ボンド:テーマ
・ロシアより愛を込めて
・ディック・トレイシー:メイン・テーマ
・ディック・トレイシー:クライム・スプリー
・アンタッチャブル:メイン・テーマ
・アンタッチャブル:アル・カポネ
・ランボー/怒りの脱出
・TVアドヴェンチュア・テーマ:
—ドラグネット
—ピーター・ガン
—ペリー・メイスン
—FBIアメリカ連邦警察
—ヒルストリート・ブルース
—スパイ大作戦
—ナポレオン・ソロ
—L.A.ロー
—マイアミ・ヴァイス
—ハワイ・ファイヴ・ゼロ
・死ぬのは奴らだ
・ユア・アイズ・オンリー
・ビヴァリー・ヒルズ・コップ:刑事アクセル
・リーサル・ウェポン:テーマ
・ダークマン・ウェー、ダークマン、ウェー!
・私を愛したスパイ:ノーバディ・ダズ・イット・ベター
・黒いジャガー:テーマ
・オクトパシー:オール・タイム・ハイ
エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス・オーケストラ(1990.9.10録音)

無心に音楽を聴くことだ。
その上で、映像を好き勝手に思い浮かべるが良い。
音の光に導かれ、人は想像力を膨らます。

しかしいかに厖大な蔵書があっても、もはや乱読時代は過ぎているので、とても昔のように徹夜して読みつづけるわけにはゆかない。それに物覚えもたしかに悪くなっていて、ページの余白に要約を書きとめる程度では、それを書いたということさえ忘れていることがある。
「物に深く触れることについて」
辻邦生「時刻のなかの肖像」(新潮社)P190

それは、書籍に限ったことではない。音盤すらそうだ。
辻邦生は続ける。

しかし散々思い惑った揚句、私が戻ってくるのは、読書とは、それほどまでして知識・情報を集めるものではなく、何よりもまず〈楽しむ〉ものだ、という考えだ。しかしそうはいっても大量の未読の本が身辺に溜まってくると、時どき、心のどこかに焦燥を感じることがある。それは声が上擦るのと同じく、われわれが落着きを失っている証拠だが、そんなとき、事は何も本だけではなく、現代社会のあらゆる分野で、同じような現象が起こっているではないか、と切に思えてくる。
~同上書P191

そう、集めることに執着するのでなく、ひとつひとつを、あるいは、瞬間々々を楽しめないのなら意味がない。
日々、夜な夜な、難しく考えず(音楽を)楽しもうではないか。
それにはうってつけの1枚。

 

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