Spain

return_to_forever_light_as_a_feather.jpg事が起こってしまってから気づいて「後の祭」だということがよくあろう。
問題が起きたときに、大抵の人はその原因を「外」に見つけようとする。どんなに血眼になって探そうとも「外」にあるはずもなく、結局は自分自身の「内」にあるのだということに気づけるだけで様子はガラッと変る。問題やトラブルは恐らくほとんどの場合、「エゴ(我)による行動」をその因としているのだから、「エゴによる行動」か「そうでないか」を見極められるようになると、途端に事はうまく運ぶようになる。その見極めはかなり難しいと思うが、自分自身の「直観力」、「感覚」をもっと信じるところから始めることが肝心だ。初めの直感ほど「正しい」ことはない。迷いに迷って、考え過ぎれば考え過ぎるほど人は道を誤るもの。

幼少時に失明したにもかかわらず、ホアキン・ロドリーゴが世に送り出した名曲は数多い。中でも美しい旋律と哀愁漂う楽想をもった傑作「アランフエス協奏曲」は20世紀が産んだ5本の指に入る協奏曲といっても過言ではない。まさに「直感」だけを頼りに孤高の作曲家が生み出した心に染み入る音楽。今や通俗曲となったこの曲を普段好んで聴くことは滅多にない。しかし、年に1度か2度、ふと取り出して耳にするのはカルロス・ボネルがデュトワ&モントリオール響をバックに録音したDecca盤(1980年:この頃のデュトワはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、ロシア物、フランス物、スペイン物など多くの名盤を残している)。ともかく涙が出るほど美しい。第2楽章のあの有名な憂愁感漂う旋律を創出しただけでもロドリーゴは偉い!

ところで、この音楽はあらゆるジャンルの天才たちが編曲を競い、名録音を残しているので今夜はあえてそれらの音盤を採り上げることにする。

Chick Corea and Return to Forever:Light as a Feather

アルバム全編にわたり繰り広げられる名手たちの超絶技巧。ボサノバにも通ずる気だるい雰囲気、そしてジャジーな即興風の音楽群が雨模様の秋空とぴったり合う。中でもChickが「アランフエス協奏曲」をモチーフに見事なFusion音楽として再生した「Spain」はいつ何時聴いても心を奪われる、「直感」の音楽である。明日からのセミナーに備えて心身の滋養にじっくり耳を傾けようか・・・。

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