ピエ・カンツィオーネス、そしてシベリウス

sibelius_tuonela_jarvi.jpg2008年も残り1ヶ月・・・、本当に時間の経過は早い。2日間にわたる名古屋での「人間力向上セミナー」では、お陰さまでまた多くの「気づき」を得ることができ、ご参加いただいた(そしてご協力いただいた)皆様にも相応の納得のゆく成果を持って帰っていただけたのではないかと自負している。グループ・ダイナミクス的に考えると、本当はもう少し多くの方々とのコミュニケーションを通じながら自己の振り返りをする方が望ましいのかもしれないが、なるべく個々のニーズに合うような手作り感を求めていくと、少人数というのも決して悪くないものだと実感した。
昨日のセミナーでもお話ししたのだが、「相手の状況や状態を顧みず、一方的に発信するのではなく、水の流れに逆らわず、波に乗るかのように他者とキャッチボール、すなわちコミュニケーションができるようになると、人間の関係性は一層濃く、深いものになるのではないかと思う。より「人間らしく」、より「自分らしく」生きていきたいものだ。

師走の空気が感じられ、そして何より「クリスマス」という雰囲気が充溢する中、久しぶりに散歩をする(随分歩いた)。新宿の伊勢丹経由で、代々木上原にある友人のお店「マツリカ」へ(今日は休業だったが、特別に開けてもらった)。そして上原から参宮橋までは徒歩、最後は小田急線に乗って新宿へ。
帰宅早々、クリスマスツリーを飾り、「ピエ・カンツィオーネス-フィンランドの古い聖歌集」(ハラルド・アンデルセン指揮クレメッティ室内合唱団)を聴く。20年ほど前「サントリー新リザーブ」のコマーシャルに使われていた15世紀ボヘミアの名曲「天の使いは来り」に始まるクリスマスに相応しい心洗われる合唱曲集。人間の声というのは本当に澄んでいる。そして得もいわれぬ「癒し」と「温かさ」に満ちている。
この音楽に触発されシベリウスの合唱曲全集から数曲抜粋で聴き、さらに管弦楽曲集を・・・。

シベリウス
交響幻想曲「ポホヨラの娘」作品49
交響詩「夜の騎行と日の出」作品55
4つの伝説曲作品22
ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団

ネーメ・ヤルヴィのシベリウスは、ベルグルンドのものとも、あるいはセーゲルスタムのそれとも、ヴァンスカのそれとも明らかに違う「輝き」を秘めている。カラヤンのシベリウスがもつスマートさとバーンスタインの異形のシベリウスのもつ粘っこさが同居したかのような不思議な感覚を想起させる音楽作りといえばいいのかどうか・・・。

乾き切った凍てつく空気に、シーンと静まり返った北ヨーロッパの大地。
人と人とが「つながる」際に発する「温かさ」、そして「一体感」。シベリウスの音楽には自然と人間の織り成す調和がある。

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