ショパンとシマノフスキ

szymanowski_carmina_quartet.jpg仕事で「決めること」が苦手な人は、自分のことについても「決めること」が下手なようだ。何でもそうだが、後退するのでないなら右に行くか左に行くかしかないわけだから、「度胸」をすえて即断即決。そして一度決めたら梃子でも動かないという「信念」が大事。それは決して頑固になれということではない。腹をくくって、「たとえ火の中、水の中」。
進め、進め、前に進め。後ろを振り返ってもどうしようもない。立ち止まって考え込んでも時間をロスするだけ。自分を信じるべし!
午前中、ミーティングをしながらふと考えたこと。人の振り見て我が振り直せ。

シマノフスキを聴く。ショパンと並びポーランドを代表する作曲家とはいえ、「ピアノの詩人」の異名をもつショパンに比してシマノフスキの人気は決して高いとはいえず、主要な作品群もほとんど聴かれないのではないだろうか。そういう僕もこの作曲家のことに関しては極めて疎い(ほとんど何も知らないと言っていいくらい)。ただ、どんな作曲家であろうとその音楽を聴いて、感じ、考えたいという好奇心は常に持ち合わせているので、「レコ芸」などで発売当初随分評判が高かったと記憶するカルミナ四重奏団による弦楽四重奏曲を久しぶりに取り出した。

シマノフスキ:弦楽四重奏曲第2番作品56
カルミナ四重奏団

1927年の作曲。同時期のハンガリーの大作曲家ベラ・バルトークに比肩しうる音楽。しかし、僕はバルトークよりもむしろヤナーチェクの弦楽四重奏曲に近い印象を受ける。ちなみにほとんど同年に、バルトークは弦楽四重奏曲第3番を、ヤナーチェクは弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」を世に送り出している。いずれも超がつく名曲であり、甲乙つけがたい魅力に溢れている。シマノフスキ本人の境遇や当時の出来事、心情などは研究不足ということもあり残念ながら何も知らない。が、どういうわけか深い哀しみを纏いながらも官能的で、特別に何度も繰り返し聴きたくなるこの音楽に接するたびに不思議に「やる気」が湧いてくるのだから堪らない。しっとりと濡れそぼった音の連なりが、まるでカルミナ四重奏団の4人の奏者の身体を借りて湧き出すような感じ。シマノフスキの音楽をもっと聴いて、彼のことについて書かれた書籍を読み勉強しようか・・・。とても興味深い作曲家だ。

隣の部屋からは、明日のリサイタルに備え、愛知とし子の奏するベートーヴェンとショパンが聴こえてくる。特にショパンに関していえば、音楽の質は違えど、同郷の作曲家らしく、不思議に符合する「何か」が感じられるのは絶妙。これは一体何だろう?ポーランド民族の民族性なのか・・・血潮がたぎるように内に向かって熱い感情がほとばしる。

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