どうやら今日がThe Whoの最終公演らしい。今朝から朝日新聞を読んでいると、先日の彼らの公演評が大々的に採り上げられており、世間から相応の注目を浴びているような印象を受けた。ちょうど夜は予定が空いていたものだから行こうか行くまいか散々迷った挙句、結局今回は見送ることにした(いや、ひょっとすると本当にこれが最初で最後の単独来日になるのかもしれないので、意を決して動こうとしたものの、一方で今更という感もあったので「まぁいいか」とあっさり諦めたというのが事実である)。
迷った時は行動するというのが鉄則。確かにコンサートひとつとってみても「後の祭」ということが何度かある。中でも、今でも忘れられないのがQueenのこと。85年だったかの来日の際(代々木第一体育館でのコンサートだったと記憶するが)、何と彼らはFirst Albumからの楽曲まで披露し、当日当夜その場に居合わせた幸運な観客は、久しぶりに往年のQueenらしいパフォーマンスを堪能できたらしいという話を後から聞いた。そして、同時に、「これでQueenも見納めなのではないか」(結局それは現実となったのだが)という憶測まで立ち昇ったことから、後々まで友人たちの間で語り草になった。このコンサートに興味を持ちながらも行かないという選択をしたことが今となっては悔やんでも悔やみきれないのである。だから、 The Whoの来日コンサートにはやっぱり行っておけば良かったかなどとまだうじうじしている(笑)(何だかんだいってまた来ると期待しているのだが・・・)。
ところで、Queenは「オペラ座の夜」で一気にスターダムにのしあがった英国を代表する伝説的なバンドだが、ベストは何といってもセカンド・アルバム。楽曲といい、コンセプトといい、演奏といい、ともかくこれ以上のものはなかなか存在しない。すでにこの時点でQueenは完成していた。それくらいに完璧なのである。ちなみに、10数年前に Hollywood Recordsというレーベルから発売されたCDにはいくつかのボーナス音源が含まれており、その中の「See What A Fool I’ve Been」(シングル盤のB面曲)を聴くと、彼らのルーツがLed Zeppelinを髣髴とさせるブルースにあることが明確にわかる。当時から日本では女々しいミーハーなバンドだと誤解されていたらしいのだが、さにあらず。
Personnel
Freddie Mercury(Vocals, Piano / Harpsichord)
Brian May(Guitars, Piano, Vocals, Bells)
John Deacon(Bass Guitar, Acoustic Guitar)
Roger Meddows-Taylor(Percussion, Vocals)
…And Nobody Played Synthesizer…Againというクレジットが最高にかっこいい!とても制作から35年以上を経ているとは思えない斬新さ。本物の音楽(モーツァルト、ベートーヴェン、マイルス、コルトレーン、ビートルズなどなど!)というのは時空を超越するものなんだということが、ジャンルの壁を越えてビンビン伝わってくる。
「GNH~もうひとつの〈豊かさ〉へ、10人の提案」(辻信一編著)を読み始める。GNHとは、第4代ブータン国王が記者会見で言ったGNP(国民総生産)をもじった造語で、国民総幸福という意味である。経済、つまりお金という単位で国の優位性を計るのではなく、「どれだけ国民が幸せを感じているのか」で計ることが大切だと訴えたことに始まる。面白い本だ。
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