クラシック音楽を聴くと「頭が良くなる」という定説

Bach_Kunst_der_Fuge_Nikolayeva.jpg10月21日実施の「早わかり『癒しの』クラシック音楽」と題する教養講座(滋賀短期大学主催)に出演するため、そろそろレジュメをまとめねばと一気に作成した。小難しい話は避けた方が良さそうだということ、与えられた時間は正味90分(うち30分は愛知とし子ミニコンサート)ということなので、伝えたいテーマを絞り込んで、簡潔にわかりやすくポイントを3つに絞ってお話させていただこうと考えた。

一つはクラシック音楽には「癒し」効果があること、一つはクラシック音楽は「頭を良くする」効果があるということ(ホントか?!笑)、そして残る一つはクラシック音楽は決して難しくないということ(つまり、聴く喜びをいかに知るか)。

「癒し」は、コミュニケーションにその源を発する。他を感じ受け容れ、自らを素直に表現し、お互いが深く交わることで自ずと「癒し」が生まれる。人間にとっての最高の精神安定剤-特効薬が「深いコミュニケーション」なのである。
そういう意味においては、音楽の演奏行為はまさにこの「コミュニケーション」であり、一つの空間で演奏者と聴衆が交流、一体化することでそこには「癒し」効果が生まれるのである。だから、音楽を聴くのは本当は実演が良い(CDやレコードなどはあくまで楽曲、あるいは演奏の予習復習のためのものと考えるのが合理的だ)。

それと、クラシック音楽(特にモーツァルト)を聴くと「頭が良くなる」という定説がある。真偽のほどは定かではないが、少なくとも僕が30年聴いてきた感覚からいえば、間違いなく「頭は良くなる」と断言できる。感じる力がつくということと、考える力が自ずと要求されるからだ。もちろん楽曲に惚れれば知的好奇心がくすぐられ、作曲家の生きた時代や人間そのものにも興味を持つようになる。単なる知識の詰め込みではなく、心が動いて勉強(というか研究)をするわけだから、やっぱり頭は良くなるだろう。

また話が難しくなりそうだ(笑)。ともかく教養講座当日は「簡明」を心がけよう。

J.S.バッハ:フーガの技法BWV1080
タチヤナ・ニコラーエワ(ピアノ)

ヘルムート・ヴァルヒャの弾くオルガンでの、まるで墨絵のような演奏を長らく愛聴してきたが、最近は「フーガの技法」を聴くならニコラーエワのピアノによる演奏。求道者の如く沈思黙考し、ただひたすら作曲者が書いた音符の奥に隠された意味を探るかのように瞬間瞬間生み出される奇跡の演奏。本CDの帯にも書かれてあるとおり、まさに彼女のバッハ解釈の最終回答であり、堅牢な枠に見事に収まりながらも、清澄かつ浮遊感漂う「魂の飛翔」がここかしこに感じとれる決定的名盤なのである。
それにしても、こんなに右脳と左脳を両方使う音楽があるだろうか?ともかくバッハの音楽はそのほとんどが、全脳を使って聴くよう作られているように思う。やっぱり、頭は良くなります。

死を間近にしたバッハは一体何を想い、この音楽を書いたのだろうか?
未聴だが、数年前発売されたエマーソン四重奏団の弦楽四重奏での演奏も気になる(その後購入して聴いた)。

※何と今日で500回目の投稿になる(この間、正月やお盆などの帰省でブログを書かなかった日が数日ある・・・)。継続は力なり。

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