女性の元気が良い

beethoven_backhaus_1968.jpg女性の元気が良い。というより、女性に元気を与える仕事に就いている女性たちが輝き始めている。本日、全く別々の場所で出逢った3人のキャリア・ウーマン。一人は、フリーカメラマンであり、ダンサー&振付家でもある女性。もう一人はドラマの脚本家。そして、残る一人は詩人であり、翻訳家である女性(この方は厳密には逢ったというより舞台上で見たと言った方が正しい)。3人に共通するのは、何かの組織に属することなくフリーで活躍し、世の中に大切なことを訴えかけようと努力し、そして相応の成果を収めている点(中にはこれから世に出るだろうという人もいるが)。そして、あくまで自分自身がやりたいこと、そしてできることを追求した結果が今の職業であり、生き方であるというところ。ある意味、男性にはない奔放さを持ち合わせ、他に意識をおきエネルギッシュに活動をされているところは脱帽ものである。それに皆当たり前だが、元気が良いし、よくしゃべる。話すことは人間の活力源だと思うが、自らのモティベーションやポリシー、そして日々起こっていることを詳細に熱く語ってくれるところがとにかく素晴らしい。もともと僕は「聞き役」に回ることが多い性質なので、今日のような日はいろんな意味で収穫が多く、気分が良い。

ティアラこうとう小ホールで開催された「JOY OF LIVING~HOPE FOR TIBET」に行った。チベット民俗音楽のミュージシャンであるTechung(テチュン)氏と詩人の梅野泉氏によるコラボレーション。チベット音楽は初めて聴いたが、土俗音楽の持つエネルギーのすごさと祈りの感度の高さの両方を一度に体感させてもらえた貴重な舞台であった。使用された楽器ももちろん初めてだし、一体何オクターブの声域なんだろうと思わせるほどのTechung氏の歌声はとても魅力的で、つい先日コメントで紹介したノンサッチの民俗音楽シリーズのことを思い出し、西洋古典音楽一辺倒でなく、やっぱりこういう地の音楽を聴くことも大切だとあらためて感じさせられた。

と言いながら、帰ってきて取り出したのが、バックハウスの1968年ザルツブルク・ライブ(ちょっと矛盾・・・笑)。

オール・ベートーヴェン・プログラム
ピアノ・ソナタ第12番変イ長調作品26「葬送行進曲」
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」
ピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31-2「テンペスト」
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調作品81a「告別」
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)

ニックネーム付の有名なソナタだけで構成された魅力的なプログラム。ライブ感満点の(かのスタジオ録音以上に好み)、そして死の1年前とはとても思えない衰えを知らない驚異的なテクニックと音楽性を前面に押し出したバックハウスならでは大パフォーマンス。どの曲のどの一音一音とってみても意味深く、一瞬たりとも気を抜いて聴くことのできない緊張感がこれまた堪らない。少々酒が残った中で書いているせいか妙に音の一粒一粒が艶かしく耳の奥に響いてくる。
今日一日の出来事を振り返り、本当は誰か女性演奏家のCDについて書きたいと思っていたのだが、ついついこの音盤を採り上げてしまった。脈絡がないけど、まぁ、いいか・・・(あくまで直感的だが、これらのソナタの特に緩徐楽章は何か女性に向けたメッセージのようにも聴こえるのだが、気のせいかな)。

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