ハイドシェックのショパン!

chopin_heidsieck.jpg我家では3台のパソコンをワイヤレスでネットワークして使っているのだが、今日、突然2台がインターネットに接続できなくなった。ネットワークは間違いなく接続されていることは確認済み。しかも1台はネットもメールもつなぐことができる。「ファイアーウォールの設定の問題か?」、「単にPCのご機嫌が悪いだけで再起動したら問題はクリアされるのか?」、「インターネットオプションの何か問題なのか?」などなど、あてにならない少ない知識を頼りにいろいろと試行錯誤してみたが、埒が明かない。結局、素人の手には負えないかもと、その分野を専門にしている何人かに電話をしてみてつながった一人からアドバイスをもらった。結局のところ、ルーターやら何やら全てを一度シャットアウトして、数分後に再起動してみたら大丈夫じゃないかということで、やってみた。何のことはない。これですっかり問題解決。ルーターの再起動は自分でもやってみてはいたのだが、時間をしばらくおかなかったことが問題だったよう。

「焦らず、少々時間がかかってもよいというくらいの気持ちで落ち着きをもって物事に取り組むこと」

ここ数日はショパン三昧。クラシック音楽を聴き始めたばかりの高校生の頃のある時期、どっぷり浸って聴いていたのがショパンのピアノ音楽。今となってはCDでじっくりと聴くことは滅多になくなっていたが、久しぶりにあれこれ聴くと結構良く、馬鹿にはできない。巨匠ハイドシェックが10年ほど前に初録音した「革命」という名のショパン・アルバムを取り出す(今は廃盤か?!)。

ショパン:「革命」
エリック・ハイドシェック(ピアノ)

1曲目の「幻想ポロネーズ」変イ長調作品61に始まり、最後は「英雄ポロネーズ」変イ長調作品53で閉じられるという全12曲を収録した初心者にも玄人にも一押しの名曲集。ショパンの創作した全曲の中で最も好きな楽曲は何かと聴かれたら、僕は即座に「幻想ポロネーズ」(あるいは「バラード第4番」)と答えるだろう(何度聴いても飽きることのない晩年の最高傑作だと思う)。この曲との出逢いは、「ホロヴィッツ・ショパン・リサイタル」という、ジャケット裏がショパンの肖像とホロヴィッツ自身の若き日の(衝撃的な)写真を並べたダブルジャケットLPに収められたカーネギーホールLiveによって。本来は1966年Historic Returnアルバムに収められるべきものが、おそらく当時のLPの収録時間の問題から、別の形でリリースされたものだったのだろうと推測する(今では前に紹介したHistoric Return未編集CDに完全収録されているが)。とにかくこのホロヴィッツの「幻想」は美しく、そして極めて劇的で、終演後の聴衆の爆発的な拍手喝采が表すようにとても言葉で言い尽くせない感動を与えてくれる演奏なのだ。そのホロヴィッツの演奏には少々敵わないものの(賛否両論あると思うが)、ハイドシェックの奏でる「幻想ポロネーズ」も個性的かつ奔放な表現(ハイドシェックにしては思ったより大人しめだということと、当たり前だが、かつて聴いた実演の方がはるかに良かったということで減点。やはりハイドシェックは実演で聴かないとどうにもならないピアニストなんだと再確認)で、なかなかの出来。

ところで、このハイドシェック盤の白眉は、6曲目の「夜想曲第8番変ニ長調作品27-2」。やさしく語りかけるようなスローな口調で始められるこの演奏は、激しいテンポの揺れを伴い、ロマンティックにそして熱烈に「愛の感情」を表現する。
時に激しく、そして時に優しく・・・、まるでピアノによる愛撫のよう・・・。

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