「仕合せ」、そして今夜もボッケリーニ

boccherini_dupre.jpg台風が明日関東に再接近するというニュース。明日は渋谷で朝から缶詰状態だが、交通網に影響が出なければいいが・・・。
ところで、本日はお昼から教え子の結婚式と披露パーティ、そして二次会と飲んで食べて大盛り上がり。最後に新郎が新婦に贈った素敵な曲が、中島みゆきの「糸」。いわゆる最近のJ-Popにはとんと疎い僕だが、これほど歌詞がストレートで、心に染み入る歌があろうとは・・・。なかなか馬鹿にはできぬもの・・・。

「糸」
なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない

どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語
縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ

こんな糸が なんになるの 心許(もと)なくて ふるえてた嵐の中

縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを
人は 「仕合わせ」と呼びます

ボッケリーニ:チェロ協奏曲変ロ長調(グリュツマッヒャー編曲版)
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ダニエル・バレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団

時折妙にボッケリーニの音楽が聴きたくなる。長い間忘れていた感傷的な気持ちを湧き立たせつつも、その反動としてなのか「不思議な勇気」をも奮い立たせてくれる素敵な音楽。多分にデュ・プレの演奏が持つ「魔法の力」によるものだろうが、おそらく指揮のバレンボイムとおしどり夫婦といわれた二人の愛が絶頂の頃(まさに仕合せ!)に録音されたことがその「魔法」により一層の拍車をかけているように思う。ともかく若くして難病に罹ったデュプレの残した数々の名盤の中でも、飛び切り優秀で感動的なパフォーマンスを示すのがこの音盤なのである(昨日、弦楽四重奏曲を聴いて感じたことと基本的には同じような印象を与えるのだが、より一層「激性」が付加されている。おそらくデュ・プレが生まれながらにもつ「父性」のようなものがチェロという楽器を通して一気に噴出しているからなのかもしれない)。

ちなみに、作曲家について深く研究したわけではないので、詳細は語れないが、もともとチェロ奏者であったボッケリーニが創作しただけあり、チェロ・パートが極端に難しく書かれてあるらしく、グリュツマッヒャー(後世の研究家?)がより容易く演奏できるように改訂しているということだ。こうなったらオリジナル版による演奏も聴いてみたいところだ。

※仕合せ=運命の巡り合わせ

⇒旧ブログへ


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む