子どもの絵

bach_goldberg_sitkovetsky_causse_maisky.jpg商売がうまくいっていなかったとき、「どうしてお客さんはこの商品の素晴らしさがわからないんだろう?」と愚痴ってばかりいた。ある日、自分の会社が潰れたんじゃないかと心配してくれる友人の声が耳に入り、はたと気づいたのだという。事あるごとに「大変だ、大変だ」と口走り、お店の様子はどうかと尋ねられたら「儲からなくてあまり良い調子じゃない」と常に繰り返していたのだという。「信じる者」と書いて「儲かる」と書くように、自身を信じる人こそ何事もうまくいくようになっているのである。結局、自己暗示をかけていたようなもので、その後、同じような質問を受けたときには必ず「最近はとても調子良いんですよ。繁盛してますよ」と言うようにしただけで、3ヶ月後には見事に業績が好転し出したらしい。

どこかの成功法則本に書いてあるような話だが、これは嘘偽りない実話で、何気に使う言葉一つとってみても自分に与える影響の大きさというものを痛感する。自分が発する言葉を最も聴いているのは自分自身なのである。心配ばかりしていると、実際その心配通りに事が運んでしまう。あまりに楽観的過ぎるのは考えものかもしれないが、軽やかに、そしてスムーズにイメージしながらことに当たった方が良さそうだ。

ところで、3月7日には滋賀県立陶芸の森産業展示館信楽ホールにて「愛知とし子コンサート」が開催される。昨年の3月に開催したリサイタルが好評だったということで、アンコール公演の意味合いを持つが、今回は市民参加によるコラボレート・コンサートになる。第1部では、先日のマチネの第1部と同内容で、「くるみ割り人形」抜粋に始まり、「ロメオとジュリエット」抜粋、「ひばり」、そして「展覧会の絵」抜粋と続く。第2部と第3部前半が愛知とし子の伴奏で地元合唱団による合唱とギター・サークルによるギター合奏。オーラスには、これまたマチネのメイン・プログラムであったサン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」を物語付きで披露することになっている。何と今回は地元の雲井小学校の児童の皆さんに楽曲に基づくイメージ絵を事前に描いていただき、それをスクリーンに投影しながら、物語の朗読とともに進行してゆくというもので、とても楽しみな企画になっている。

今夜、いただいたイメージ絵からいくつかをピックアップする作業をした。子どもの絵は正直だ。それに拡がりがある。あの曲から「こんな風に想像したんだ!」という驚きもある。もちろん見ていて飽きない。大人になるにつれ、もともと持っていたであろう感性がいかに鈍っているか痛切に感じられもした。やっぱり、いくつになっても軽やかにイメージを飛翔させることが重要かな・・・。

先月末、新木真理子さんとのコラボで愛知がショスタコーヴィチを演奏したが、次回はプロコフィエフなのだという。いつお披露目になるのかは未定のようだが、今度も極めて楽しみだ。僕もプロコのチェロ・ソナタを少しずつ勉強し始めよう。ちなみに、今日は平成22年2月22日という、2が5つも並ぶ日である。こういう日は、どうしてもバッハである。久しぶりにゴルトベルク変奏曲を・・・。

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
~グレン・グールドの思い出に(シトコヴェツキーによる弦楽三重奏版)
ドミトリー・シトコヴェツキー(ヴァイオリン)
ジェラール・コセ(ヴィオラ)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)

第25変奏から最後のアリアまでの15分ほど。至福の時を過ごした。なんと妙なる音楽か、そして何と素晴らしい編曲か。


4 COMMENTS

雅之

おはようございます。
今朝は、ブログ本文の話題にほとんど関係ないコメントで、申し訳ありません。次回岡本さんが「早わかりクラシック音楽講座」で採り上げられるホルストの組曲「惑星」について・・・。
>子どもの絵は正直だ。それに拡がりがある。あの曲から「こんな風に想像したんだ!」という驚きもある。
大昔、小学6年生のころ、学校の授業でホルストの組曲「惑星」を初めて聴いた時、『天王星、魔術師(Uranus, the Magician )』の途中が「たんたんたぬき」の歌に聞こえて仕方がなく、大笑いしそうになりました。その授業では、後日、この組曲「惑星」のイメージを絵にする課題があり、私は天王星でタヌキが盆踊りを踊る絵を描いたら、先生やクラスメートが爆笑の渦になり、大ウケでした。
その後今日に至るまで『天王星』を聴くたびに「たんたんたぬき」を連想してしまい、そんなことを想像するのは私だけかと人知れず長い間思い込んでいたのですが、最近ネットで検索したら、けっこういらっしゃって安心しました。
※例 「連結クラシック研究室」というサイトから(同サイトもいろいろ勉強させていただいております)
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/8562/natural2.html#10
(同サイト内のMIDIで、ぜひご確認ください)
ところで、更にネットで調べましたら、この「たんたんたぬき」の原曲が
讃美歌「まもなくかなた」の(英原題 :Shall We Gather at the River?)だと知って、二度驚きました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE
まさかホルストの『天王星』とは関係ないとは思いますが、どうでしょう?

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>私は天王星でタヌキが盆踊りを踊る絵を描いたら、先生やクラスメートが爆笑の渦になり、大ウケでした。
脱帽です!さすが雅之さん!子どものころから天才肌ですね。
しかし、確かに「たんたんたぬき」に聴こえます。
とはいえ、ご紹介いただいた賛美歌については知りませんでした。驚きです。というか、こういうやりとりをしていると本当にいろいろな知識が身に付き、ありがたいです。毎々本当にありがとうございます。
>まさかホルストの『天王星』とは関係ないとは思いますが、どうでしょう?
いやあ、これはちょっと今のところ何とも判断しがたいですね・・・。偶然似た旋律になったようにも思いますし。しかし、可能性はありそうなので、ちょっと調べたいと思います。
宿題ありがとうございます。

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アレグロ・コン・ブリオ~第3章 » Blog Archive » 昔のマイスキーは良かった

[…] 「アレグロ・コン・ブリオ」を書き始めた頃に「ゴルトベルク変奏曲」のシトコヴェツキー編曲のトリオ版を採り上げた。ミッシャ・マイスキーが今井信子らと録音した名演奏である。何よりシトコヴェツキーのアレンジが絶品。これが原曲だと言っても信じられるほどJ.S.バッハの精神を見事に表現しており、美しい(ピアノという音階が決定されてしまっている楽器での演奏に比べ音階が決定されない弦楽器の特性を活かした永遠性が感じられるところが素敵)。そのマイスキーが1984年に編曲者自身と録音した録音を(以前も採り上げたが、その時は第25変奏以降だったので今日は全曲を)。 […]

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