河野鉄平の写真にはピアソラが似合う・・・

piazzolla_kronos_q_tango_sensations.jpgフリーカメラマンの河野鉄平君が本を出した。「写真の撮り方ハンドブック」(誠文堂新光社)。早速書店で購入してざっと眺めてみる(写真の撮り方そのものには興味がないので、読むというよりはページのあちらこちらに散りばめられている彼の撮った写真を見るという感じに近い)。彼のブログは冗談風で訳のわからない(笑)感情をそのまま表現した日記のようなもので、通常は極めて幼稚な表現(爆笑)が多いのだが、時折、「へぇなるほど、たいしたものじゃない!」と唸らせるような真面目な文章がUPされるので驚くことがある。ちなみに8月28日の『個展ありがとう!』は、とても爽やかで素直な心情が綴られており、河野鉄平という男の意外な側面(というかまさにこれが彼の本質なんだが)が垣間見られて面白い。
同様に今回上梓された書籍でも、『人はみな、何かしら表現をしてみたいと、心のどこかで思っているものです』と始まる「はじめに」と題する前書きも鉄平君らしい純粋さと写真に対する想いの深さが行間から溢れ出るようなニュアンスで書かれており、彼の人を惹きつける不思議な魅力は、こういう真剣で本気なところから発せられているものなんだろうと再確認した次第である。

蒸し暑い初秋に似合うピアソラの音楽。今日は、1989年にクロノス・クァルテットのために書かれた、バンドネオンと弦楽四重奏のための5つの楽章を持つ五重奏曲を聴く。

Piazzolla:Five Tango Sensations
Kronos Quartet with Astor Piazzolla, bandoneon

第1楽章「眠り」、第2楽章「愛」、第3楽章「不安」、第4楽章「目覚め」、第5楽章「恐怖」。愁いを持ったバンドネオンの独特の響きが4つの弦楽器をバックに人間の持つ様々な感情を巧妙に表現する。25分強という短い時間の中で、特に聴くものを眠りに誘いつつもはっきりとしたヴィジョンを見させる様は鉄平君の写真を鑑賞しているときにもつ感覚に近いかもしれない。

クロノス・クァルテットの音楽はジャンルを問わず(クラシック、ジャズ、ロック、タンゴなど)、人間の鼓動と連動しながら颯爽とした息吹を感じさせる。あまりに現代的なセンスが時折冷たさを醸し出すが、ピアソラの温かいバンドネオンの調べと融合することで、一気に不思議な人間味を帯びる。秋を感じさせる今頃の時期に聴くのにちょうどよい。

⇒旧ブログへ


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください