未来は変わる

schoenberg_quartet_2.jpg未来は変えられるというが、その通りだと思う。3年前、今の自分の状況は全く想像していなかった。ましてや20年前となると時代はバブル真っ盛り、本当に世の中の全てが右肩上がりでそのまま成長していくものだと誰もが信じていたし、自分自身も20 代中頃の若気の至り、何も考えずに時の流れに身を任せぼんやりと過ごしていた。
人は人の影響を受け、成長し、変化する。たとえそれが結果「最悪の事態」と見えたとしても、おそらく「最良、最善」の結果であることは間違いない。ある人の影響を受けるのも自分自身の「考え」であるし、物事を選択するのも直感であれ考えに考え抜いたものであれ「自己責任」の名の下に為されるものだからだ。

だから未来は変わるし、きっとうまくいく。

シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番嬰ヘ短調作品10
クリスティーネ・ホイットルシー(ソプラノ)
プラジャーク四重奏団

後期ロマン派時代と無調時代の狭間(1908年頃)に書き上げられたアーノルト・シェーンベルクの実験作(第3楽章と第4楽章にソプラノ・ソロによる歌をもつ)。奇しくもマーラーの未完の交響曲第10番と同じ調性。しかも第2楽章にはマーラーが少年の頃に聴き生涯影響を受けたという辻音楽師の奏でる手回しオルガンによる当時のウィーンの流行歌「いとしのアウグスティン」の旋律が引用されている(マーラーの音楽の持つ俗なる部分の象徴)。シェーンベルクに意図があったかどうかは勉強不足で不明だが、少なくとも同時代の同じ場所で活躍した二人だから、何か関係性はあるのかもしれない。
ところで、僕は1997年のザルツブルク音楽祭でのハーゲン四重奏団によるこの曲の実演を聴いているが、室内楽と歌曲の融合という舞台に、前プロのベートーヴェンの「大フーガ」以上に感動させられた。

※ちなみに「いとしのアウグスティン」の歌詞は、ペスト流行時代の伝説的な辻音楽師をモチーフにしたもので内容は結構不吉なもの。

万物は変化する。われわれの人生は、われわれの考えが作り出すものだ。
マルクス・アウレリウス・アントニウス

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