知的タフネス

chopin_argerich1965.jpg午後、久しぶりに早稲田大学のキャンパスを歩いた。もうかれこれ20余年ぶりになる。早稲田大学産業経営研究所主催の公開講演会。昨年末、無事にGCDF-Japan(いわゆるキャリア・カウンセラー)の資格を取得したのだが、資格を維持するためには向こう3年間で最低45時間の継続学習を科されているので、なるべく早い時期から勉強しようと考えたことと、公開講演会のため無料だったということからWebで発見し、急遽参加したのである。要は合計3時間半の学会だったのだが、なかなか面白いものであった。
特に、最初の早稲田大学教授・内田和成氏による「外資系コンサルティング会社のキャリア・デベロップメント」という講演は、質疑応答あわせ90分に及ぶ意義ある講演であった。氏は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の元日本代表で、学者的な観点ではなくあくまで自らの経験からくる実務的な観点から「キャリア・ディベロプメント」というものをわかりやすく話し、大変勉強になった。例えば、キャリア形成において最も重要なファクターはOJTであること。彼は「BCGは学校だ」と何度も語っておられたが、人を育てる際、4つのポイントとなる時期が会社にもあるのだという。すなわち、1.会社に入る時点(いかに優秀な人材を確保するのか)、2.在職中(いかに良いプロジェクトにつくか)、3.退職時(その会社にいたことにいかに誇りをもてるか)、4.卒業生を大事にする(卒業生がビジネスマンとして成功していること)なのだが、特に「卒業生がハッピーじゃないと健全ではない」と説く。なるほど、確かに・・・。当たり前の話だが、経営者は一時的な都合で人を使うのではなく、永い目で人を大事にせねばならない。

事前に内容を把握しなかったものだから、ほぼ行き当たりばったりだったものの、ためになると同時に継続学習時間が3時間半確保できたのでほっと安心。学生時代、ほとんど勉強をまともにしなかったものの、あとのお二方の学会発表もなかなかの内容で、知的好奇心をくすぐられた(BCGでは知的タフネスを重視するという。知的に打たれ強いことが大事なのだと)。

Chopin:The Legendary 1965 Recording
Martha Argerich(piano)

1965年、ショパン国際コンクール優勝直後にレコーディングしたものの、契約の都合上1999年になるまで陽の目をみなかった伝説の録音。ソナタ第3番に始まり「英雄」ポローネーズで閉じられる全10曲はまさにアルゲリッチの独壇場で、40年以上経た今も全く色褪せない。前にも書いたが、2000年にサントリーホールで彼女が久しぶりにソロ演奏を披露したとき聴きに行ったが(前半の数曲だけ)、こういうアルバムを聴くと、アルゲリッチがソロ・リサイタルを開いてくれないことに不満の念がついつい湧き出てしまう。
とにかくソロの実演を聴きたい。

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