春は蠢く・・・

beethoven_spring_argerich_kremer.jpg第14回「早わかりクラシック音楽講座」終了です。2年目に突入し、少しずつ世界が広がってきているようで、予想外に15名もの方にご参加いただき、しかもたくさんの「気づき」をいただき感謝します。今回はベートーヴェンの「田園」交響曲をとりあげました。詳細報告は明日にでもUP予定ですが、「人間力」や作曲家のバックグラウンドを考察しながら聴く音楽はやはり素晴らしいです。言語を超えた世界共通語である音楽。それも何百年という歴史の中で聴き継がれてきている「クラシック音楽」こそは人類至宝の産物であると思います。言霊ならぬ音霊とはこういうことか、と身に染みて理解していただけたのではないかと思うと同時に、一人でも多くの方が「クラシック音楽」の素晴らしさに目覚めていただけたらこれ以上の幸せはないのではないかと感じます。今後も僕なりの切口で進めてまいりますので懲りずにご参加のほどよろしくお願いします。

ところで、明日は年度末。早いもので今年ももう4分の1が過ぎてしまったことになります。今日は生憎の雨ですが、桜も満開で新しい年度を迎え、それぞれが希望に胸を膨らませて動き出す様子が手に取るようにわかります。良くも悪くも「変化」の起こる時期。まさに「蠢く春」ですね。どんなことが起ころうとそれが必然であり、ベストだと考えながら、前に向かって進んでいこう!

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24「春」
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

若き日のベートーヴェンが産み出した傑作。第1楽章第1主題は誰もがどこかで一度は耳にしたことがあるだろう愛と優しさに満ちたセンス満点の音楽である。とはいえこの楽曲の白眉は第2楽章、アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォにある。
こんなに平安で静謐な音楽は珍しい。この楽章を聴くにつけ、ベートーヴェンが一般的に思われている「激しい」、「闘争」というイメージを覆すほどの「慈しみのエネルギー」を僕は感じるのだ。そういえばかつてモーリス・ベジャール率いる二十世紀バレエ団がこの第2楽章をBGMに踊っていた映像を観たときとても感動的だったことを思い出した。確かジョルジュ・ドンとショナ・ミルクだか誰だかとのデュエットだったと記憶するのだが・・・。
まさに桜咲く今の時期にぴったりの名曲。ベートーヴェンは不滅である。

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