テミルカーノフ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィル ショスタコーヴィチ 祝典序曲ほか(2009.12.8Live)

マクシムの回想には次のようにある。

実は、父はかなりのサッカー通だっただけじゃなく、ちゃんとした審判の資格を持っていました。彼はその資格を1941年以前に取得したのです。サッカー以外にも父は種々のスポーツ・ルールを完全にマスターしていて、試合の審判を務めるのが好きでした。すでに触れましたが、イワーノヴァの「創造の家」では、父がバレーボールの試合の常任審判でした。
ミハイル・アールドフ編/田中泰子・監修「カスチョールの会」訳「わが父ショスタコーヴィチ 初めて語られる大作曲家の素顔」(音楽之友社)P56-57

単に個々の総和ではなく、見事な相乗効果を見せてくれるのがショスタコーヴィチの音楽。それは、スポーツに通じる。
冒頭の金管のファンファーレはもちろんのこと、間もなくの、フルートの超絶技巧による目くるめくパッセージに溢れる快活な喜びに感謝を思う。弦楽器がうねり、トラペットが咆える。真の平和の実現には一人一人が自らの使命を果たさなければならないのだ。

ユーリ・テミルカーノフの両手がものを言う。
2009年のノーベル賞コンサートからの「祝典序曲」。

音の洪水、あるいは波状攻撃。
聴く者の心はどよめき、魂は歓喜に揺れる。

・ショスタコーヴィチ:祝典序曲イ長調作品96
ユーリ・テミルカーノフ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(2009.12.8Live)

まるで宙から音を拾うように紡ぐテミルカーノフの業。
この日は、他にプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲第1番&第2番や、マルタ・アルゲリッチをソリストに据えたラヴェルのピアノ協奏曲が披露されており(アンコールのショパンのマズルカハ長調作品24-2がまた絶品!!)、いずれもが名演奏だが、ショスタコーヴィチの序曲の、飛び切りの肯定感がすべてを包む音調に心から感動し、賞賛の思いを送りたい。洗練の極致だ。

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