ブーランジェ アマド コラッツァ テラッソン クーロー指揮パイヤール室内管 オッフェンバック 喜歌劇「バ=タ=クラン」(1966.3録音)

フランスはパリの伝説的劇場バタクラン。
1973年のジェネシスの4Kコンサート動画を観て、僕は驚愕した。50年も前のものとは思えぬ映像の鮮明さはもちろんのこと、ピーター・ガブリエル率いるバンドのあまりの鮮烈な舞台に思わず魅入ってしまった(ちょうど50年前の今日!)。

2015年11月、バタクラン劇場はパリ同時多発テロ事件の標的とされ、何十人もの観客が命を落としたことは記憶に新しい。何を善とし、何を悪とするのか? 立場が変われば両者は簡単に入れ替わる。一つ言えることは、世界から諍いや争いを放逐するには、全世界一人一人の意識が思考や感情を脱却し、いわゆる当たり前だと信じて疑わない常識をまずは疑ってみることだ。僕たちはどこから来て、またどこへ帰るのか? そして、僕たちは何者なのか? 「目には目を、歯には歯を」では永遠のいたちごっこは終わらない。

バタクラン劇場と言えば、ルー・リード(ヴェルヴェッツ)の伝説的なコンサートもあった。「ヘロイン」の退廃的な素晴らしさよ。

ちなみに、劇場の名称の由来はジャック・オッフェンバックの喜歌劇「バ-タ-クラン」による。「バ-タ-クラン」とは、擬音語で、日本語で言う「ドタバタ」的な意味として解釈すれば良いだろう。正月10日にオッフェンバック。

・オッフェンバック:喜歌劇「バ=タ=クラン」
ユゲット・ブーランジェ(王女フェ・アン・ニッチ・トン、ソプラノ)
ライモン・アマド(官僚ケ・キ・カ・コ、テノール)
レミー・コラッツァ(王フェ・ニ・ハン、テノール)
ルネ・テラッソン(王の護衛隊長コ・コ・リ・コ、バス)
フィリップ・カイヤール合唱団
マルセル・クーロー指揮ジャン=フランソワ・パイヤール室内管弦楽団(1966.3録音)

中国の架空の王家の王位剥奪を主題にした40分ほどのパロディ喜歌劇は、文字通りドタバタ劇。物語の他愛のない筋はともかく、やはりオッフェンバックの音楽が素晴らしい。イントロダクションと合唱は華麗で晴れやか、ここぞとばかりに音楽は聴く者を惹きつける。第2番王女のロマンスは悲しげで美しく、第3番王女と護衛隊長の二重唱は何て喜びに満ちるのだろう。ところで、興味深いのは第7番終曲。
どこかで聴いたような旋律。なるほど、ミッキーマウス・マーチ!!!

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