メイプルソープ、港屋、ロストロ

前にも少し触れたロバート・メイプルソープ写真集の「猥褻訴訟」で最高裁が「猥褻ではない」と判断をくだした。一部に「男性器のアップの写真」が含まれていることが問題となったようだが、司法の判断は「写真集は芸術的観点で構成されており、全体としてみれば社会通念に照らして風俗を害さない」とした。時間の経過と共に社会通念も大きく変化する。ほんの少し前までは考えられなかったことが当たり前となり、「規制緩和」の名の下様々な事柄の垣根が取り払われ、ハードルが少しずつ低くなっていく。しかし、その一方で、携帯サイトなどは年齢制限により機種変後、突然掲示板サイトに書き込みができなくなったり、正規サイトでないと閲覧することができなくなるなど新しい問題も表出しているようだ。

人々の常識やモラルが低下しているという。本来家庭や学校で教えるべき要素であると思うが、「親」が「親」の、「教師」が「教師」の機能を果たさなくなった今の世の中において、何でもかんでも堅苦しく考えるのでなくもっと「人間性」をおおらかに謳歌してみてもいいのではないかとついつい考えてしまう。

午前中、新橋の第一ホテルにてKと落ち合う。1時間ほどのミーティングの後、虎ノ門に美味い立ち喰い蕎麦屋があるという。15分ほどで着くというので2人して歩くことにする。あっちの方向だとKが指差し、身を委ねて近況を語りながら散歩をする。しかしながら、例によってKは道がわからなくなったと迷うこと十数分。彼は目的地に辿り着くのにいつも道草を食う。どんなものでも最終的には到達するので良いのだが、必ず時間をロスする(笑)。今日も結局30分ほどかかってお店を発見。「そば処港屋」
11:30だというのにもう既に行列ができている。そんなに美味いのか・・・。待つこと30分、ちょうど正午に件の蕎麦にありつく。

立ち喰い蕎麦とは思えぬ店構えと店内の雰囲気。ボリューム満点で味も昔なら思わず「美味い!」と唸ったであろう。しかし、今や少々辛い。とにかく「濃い」のだ。全く行列が絶えない様子でサラリーマン諸氏が延々と並ぶ。最近は外食をするとどこで食べても「これじゃあ成人病になってしまうのではなかろうか」と思うほど「塩分」が多すぎる。蕎麦とは元々消化がいいはずだからすぐにお腹が空くはずなのだが、19:00を過ぎても身体が重い。あれだけの人気店なので「濃い味」が好きな輩にはおススメだが、僕にはちょっと無理かな・・・。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV1011
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)

昨年4月に惜しくも亡くなった天才ロストロが70歳を目前にしてやっとレコーディングをした人類の至宝。チェロの持つ人間の声に限りなく近い波長の柔らかな音色とおおらかなメロディ・ライン。こんなにも温かい「愛」を届けてくれる音楽は珍しい。宇宙人バッハが人類のために書き、捧げた真の傑作である。ところで、イングマール・ベルイマン監督はおそらくこの楽曲が大好きだったのだろう。名作「叫びとささやき」や遺作となった「サラバンド」においてこの曲の「サラバンド」が重要な役割を果たしている。

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