午前中、羽田方面にて所用があったので山手線に乗る。ラッシュアワーの山手線は何年ぶりだろうか(というよりラッシュアワーは何年ぶりだろう)?前職の時も出勤時間はアバウトだったので通勤ピークタイムに電車に乗り合わせることはまずなかった。車内の尋常でない混雑ぶりを体感しながらサラリーマンは毎日のようにこういう状況に置かれるのかと感心した。
京浜急行の車内では先日Dにすすめられた「環境問題はなぜウソがまかり通るのか(武田邦彦著)」を読む。「環境問題」という大義名分の下、マスコミに煽り立てられた「ダイオキシン問題」や「地球温暖化の故意の誤報」などをとりあげ、国民がいかに騙され、一部のビジネスの餌食と化しているかが警鐘を込めながら懇切丁寧に書かれている。滅法面白い。やっぱり何事も人の話やマスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、自分の目や耳で確かめるべきですね。自ら体験・体感してこそ知識となり智慧となるものです。
午後は「バッハの小宇宙」と題する講座の資料作りに専念する。傑作世俗音楽を数多く生み出した1717年~1723年のいわゆる「ケーテン時代」に的を絞り、彼の人となり、その音楽を手持ちの数枚のCDをとっかえひっかえ聴きながら黙考することしばし。ブランデンブルク協奏曲、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ、無伴奏チェロ組曲、カンタータ第64番「みよ、神がわれらにしめし給うた愛のいかなるかを」・・・。ミッシャ・マイスキーの弾く無伴奏チェロ組曲の新旧両盤を聴き比べてみたが、テンポといい節回しといい装飾といい全く別人の演奏のよう。僕は素朴で飾らない旧盤のほうが好き。
The Modern Jazz Quartet:Blues On Bach
正統派のバッハを散々聴いた挙句、多少の「疲れ」を癒すためにMJQを聴く。バッハの曲をモチーフにしたJohn Lewisのオリジナルが5曲、John LewisとMilt Jacksonのオリジナル・ブルースが4曲の全9曲、約42分のお洒落で粋なジャズ・アルバム。
上記二人にPercy HeathとConnie Kayを加えたモダーン・ジャズ・カルテットはジャズ史上屈指のアンサンブルとセンスを誇る4人グループ。メンバー各々が独特のパーソナリティと技量を持ちながらグループで活動するときにはその個性が絶妙にブレンドし、類を見ない光彩を放つ様は、ロック・ミュージックでいうThe BeatlesやLed Zeppelinの神話に近い。残念ながら全員個人となった今となってはLiveに触れることは不可能だが、残された音源や映像はどれもが構成の宝として語り継がれるべきものであると思う。中でも、このバッハ・アルバムはクラシック音楽ファンにもぜひとも聴いていただきたい名盤。
J.S.バッハの音楽はジャンルを超え不滅である。
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