ストラヴィンスキーの木霊が聴こえる。
いかにも20世紀という、主張の激しい、そして洗練よりも土臭さを感じさせるミヨーの交響的組曲。第4楽章夜想曲に見られる抒情的な音調が美しい。
ピエール・モントゥー指揮サンフランシスコ交響楽団の一気呵成の表現が熱く、また先鋭的で、勝利を確信したようないかにも大戦最末期の様相を反映していて興味深い。
ルイス・グルーエンバーグはベルリンでブゾーニとコッホに師事した。
1919年にピアニストとしての活動を終え、作曲に専念するようになる。
ハイフェッツが委嘱した彼のヴァイオリン協奏曲。
第二次大戦中の作品ながら悲壮感はなく、また浪漫満ちる音調で(ブラームス風)、いかにもヴィルトゥオジティ溢れる佳曲。
何よりカデンツァの抒情。ハイフェッツの安定の技量をもっての表現に、終楽章のおどけたフモールに僕の心は思わず癒された。