再び祈りの音楽を・・・

深夜、映し出されるテレビの画面を前に呆然とする自分がいる。人智の及ばない自然の破壊力。そして、人と人とがふたたびつながろうとする、その見えない絆に涙が溢れる。

Peter Gabrielの作品の中で、ファースト・アルバムの頂点にもなっている楽曲である”Here Comes the Flood”の歌詞は意味深い。特に、30年近い時を経て生まれ変わった静かな弾き語りバージョン(Peter Gabriel ”Hit”所収)は本当に祈りに満ち溢れている。

ただただ静かに耳を澄ました。断続的に揺れが続く中、「祈り」を捧げた。

Lord, here comes the flood
We’ll say goodbye to flesh and blood
If again the seas are silent
in any still alive
It’ll be those who gave their island to survive
Drink up, dreamers, you’re running dry.

When the flood calls
You have no home, you have no walls
In the thunder crash
You’re a thousand minds, within a flash
Don’t be afraid to cry at what you see
The actors gone, there’s only you and me
And if we break before the dawn, they’ll
use up what we used to be.

神よ、洪水だ
肉体にさらばだ
もしもいま一度海が静まり返り、
生き永らえたとしても
もはや大地は昔のままではない
飲み干せ、夢見る人よ、君たちは乾ききっている

洪水が
生きる全てを奪っても
光の中に数多の心(魂)がある
だから、目前の事実を恐れて叫ばないこと
役者たちはいなくなった、残るのは君と僕だけ
夜明け前にはみんな生まれ変われるはず

Peter Gabriel:Hit

ここに収録された”Flood”は、同じ静かなバージョンであるRobert Frippの”Exposure”所収のもの(後ろでピロピロと鳴るFrippertronicsの音に違和感。とはいえ、”Water Music”で前後を挿むアイデアは素敵。ちなみに、2006年にリマスターされた盤にはミックス違いも合わせて収められている)より一層深みがある。この1曲を聴くだけでもこのベスト盤の価値は不滅なり。

1979年のパフォーマンス!・・・感涙


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