セル指揮クリーヴランド管 モーツァルト 交響曲第40番ト短調K.550(1970.5.22Live)

東条碩夫「マエストロたちのあの日、あの時」が面白い。
例えば、ジョージ・セルの、最初で最後の来日公演にまつわるエピソードや、インタビューでの本音の話など、半世紀以上を経た今も語り草になっているそうだ。それに、マエストロは来日の2ヶ月余り後に癌のため急逝するのだが、来日も病を押してのもので、周囲の誰もが知らなかったというのだから驚きだ。残された上野は東京文化会館でのコンサートの記録も病人が指揮しているとはとても思えぬ代物で、若々しく、生命力に溢れている。
これぞ生涯現役を貫いた、セルの厳しい訓練の賜物なのだろうと思う。

・モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(1970.5.22Live)

精密なアンサンブルというだけでなく、(恣意の排された)実は心のこもったジョージ・セルならではのト短調交響曲。近代オーケストラの機能を十全に生かした造形と響きに神業を思う。

ちなみに、セルが亡くなった直後のFM放送での追悼番組での丹羽正明氏の解説とセルの東京でのインタビューがまた興味深い。


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