神の音楽とグレン・グールド

夕方、ビジネス・パートナーとミーティングを開き、いろいろと語った際、「できない人には言わないですよ。世のために表に出さないといけないノウハウや経験を持っていて、それを明確に形にして人助けしないとある意味犯罪ですよ」と冗談交じり、半分本気で言ってくれ、さらには、パートナーシップを組むにあたり「岡本さん自身の行動やスタイルをきちんと修正し、具体的な目標設定をしないともったいないですよ」というアドバイスまで受け、ありがたいと思った。一発ぶん殴られた感覚・・・。
なるほど、確かに必要としている、待っている人が五万といるのだな・・・。

夜半、27日(土)にチャリティーFlea Marketをやるというので、心機一転過去のこだわりを捨てるという意味も含め、知人に不要なスーツ類をいくつか差し上げた。基本的に食事を菜食にしてから5年近くが経つが、どうも身体が一回りも二回りも小さくなったようで、着ていたスーツがほとんどブカブカでみっともなくなったこともあるし・・・。
スーツを取りに着たT姉妹は最近僕の影響でクラシック音楽を聴き始め、何と今は「ゴルトベルク変奏曲」にはまっているのだという。早速グールドの55年盤81年盤を買い、聴き比べを楽しんだりしているらしい。家に来るなりそんな話になったので、ここぞとばかりにグールドの映像を見せてあげた。

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(1981年DVD)
グレン・グールド(ピアノ)

こんな映像が残っているとは・・・。10数年前に初めてLDで手に入れたときは、とにかく感動で震えっ放し(まじで!)だったことを思い出す。最初から最後までグールドが弾いている(当たり前だが)のだ。しかも、例の鼻歌交じりで。奇跡である。それに、音だけで聴いているとTが言うように確かに何か機械かロボットが弾いているような正確さなので、実際に映像を見たときに、本当に人間が弾いているんですね、という感想をもったらしく、それを聞いた僕は、なるほど面白いことをいうもんだな、と思ったし、入門者の意見は侮れないなと感心させられもした。

バッハの音楽自体の素晴らしさに心を打たれ、しばらく3人で見入っていた。そういえば、先日の特別講座のあとでもこのDVDを見せてあげたら、みんな金縛りにあったように魅入っていたな、と思い出した。まさに「輪廻転生」を表しているかのような楽曲。アリアとは誕生でもあり、また終末でもある。唯一短調である第25変奏のあと、第26変奏から突如天使が舞い降りるかのごとく明るくなり、昇天していく様はとてもこの世のものとは思えない美しさに溢れ、まさに「神の音楽」というに相応しいものである。

ゴルトベルク変奏曲については専門的な音楽教育を受けていない僕なりの哲学的解釈がある。それについては、いずれ「早わかり古典音楽講座」のコラムに書くつもりである。

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