目覚めよ!

ここ2、3日、外の状況はあまり良くないように思われる。今朝もどうも身体が重く、思いのほか寝過ごしてしまった。心身ともにきれいにしろという信号なのかもしれないなどと考えながらとりあえずバッハの教会音楽を聴いてまずは「心のお清め」をする。

バッハの宗教音楽はプロテスタントの信者のために書かれたものであるゆえ、我々一般的な日本人のように「無宗教」に近い人種にとっては多少「抹香臭さ」が鼻についてそういつも日常的に気軽に聴ける音楽ではない。とは言うものの、(以前四角四面に閉じ込められているという感想を書いたが)たまに聴くと途轍もない感動を呼び起こしてくれるところがこれまた素晴らしいところだ。
特に、音楽史上燦然と聳え立つ人類の至宝ともいえる「マタイ受難曲」はいわゆる「四角四面の枠」を明らかに超えており、言葉で言い表せない圧倒的な内容を持つのだが、所要時間3時間超で、しかも聖書のマタイ伝が台本になっているゆえ、物理的にも精神的にも相当のエネルギーを要求され、そう易々とはCDトレイに乗っける気がしない。

もう少し気楽に聴ける宗教音楽は何か?
ということで、200数曲残している「カンタータ」の中からいくつかとり出して聴いてみる。
(もともとカンタータは18世紀前半当時毎日曜日の礼拝式の一部として機能していたものなので、決して気楽に聴けるものではないのだが・・・)

J.S.バッハ:カンタータ第140番BWV140「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団、ミュンヘン・バッハ合唱団
エディト・マティス(ソプラノ)
ペーター・シュライヤー(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バス)

第4曲のコラールが夙に有名。何とこれも「変ホ長調」の楽曲である。ヴァイオリンとヴィオラが斉奏で例の懐かしい旋律を奏でると、ペーター・シュライヤーが独唱で「シオンは物見らの歌を聞き」を朗々と歌う。

「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」
-確かに「魂」を目覚めさせねばならぬ時代が今ここに来ているのかもしれない。

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