希望と愛のベートーヴェン

一昨日の夜風間ゆたか君から電話が入った。
世田谷区議会議員である彼は、IVUSA国際ボランティア学生協会の理事でもあり、今回の地震の被災地である宮城県石巻市に支援活動のため向かうとのことで、一緒に行かないかというお誘い。風間君とは年齢は10歳近く離れているが、かれこれ十数年前同じ釜の飯を食べた戦友でもあり、普段滅多に会うことはないが、いざという時には行動を共にしてきた同志でもあるゆえ、今回も即座に心が動いた。がしかし、既に予定が入っており、4月になれば研修や大学などがあるためその準備に時間を割かねばならないという事情から、一旦は断った。とはいえ、妻に話せば間違いなく「私も行きたい」という答が返ってくるだろうと思い、すぐさまその旨話したところ案の定(笑)。ともかく居ても立ってもいられず、予定をすべて前後に移動させ、この3日間を空けた。行って自分の目で見、実際に活動に参加してみない限りは何事もわからない。福島の原発の問題も収束しておらず、まだまだ余震の心配も拭い去ることはできないが、ともかく行く。一個人の力など微々たるものだとは思うが、少しでも役に立てればと考える・・・。

少し仮眠をとろうと思うが、その前に魂をきれいにして・・・(笑)。
やっぱりここはベートーヴェンだろうと、アルバン・ベルク四重奏団がライブで収録した弦楽四重奏曲全集から晩年の作品をといいたいところだが、明るい未来に希望を託す意味で、初期と中期の傑作を。

ベートーヴェン:
・弦楽四重奏曲第1番ヘ長調作品18-1
・弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」
アルバン・ベルク四重奏団(1989.6録音)

いずれもチェコのロプコヴィッツ侯爵に捧げられた作品。作品18の6曲のうち2番目に創作されたといわれる第1番は、第2楽章の仄暗い雰囲気が後の名作群に負けず劣らず、聴いていて胸を締め付けられるような情感に襲われる瞬間をもつ。29歳のルートヴィヒの脳裏に去来したものは何だったのか・・・。
そして、その10年後に完成された作品74。安らぎに満ちた序奏に導かれ、明るい未来を予見するかのような主部が奏される。この始まりのところを聴くと、ついつい高校時代にFM放送で初めて聴いたときの感動が思い出される(おそらくエアチェックしてカセットテープにとっておいたはずだが、その録音は手元にない)。ただただ懐かしい思い出たちが蘇る。そして、変奏曲という形式を愛好する僕にとってこの作品の終楽章が実に「ツボ」。ベートーヴェンの様々な感情が浮かんでは沈み、沈んでは浮かび、最後に残るのは「人間愛」(ちょっと臭い表現だが(笑)・・・、それは確か)。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。

素晴らしいです!!
それでこそ岡本夫妻です!
ご活躍、心から応援します!
私も、別な形で被災地の復興に
微力ながら貢献したいと決意しました!
感謝です。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
ありがとうございます。
これから出発です。
がんばってきます。

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