Bob Dylan “Shot of Love” (1981)

「黄金郷」
華やかに装える
武辺のきみよ
光のなかと影のなか
はるばると流離いぬ、
歌うたい
黄金郷を求めんと。

阿部保訳「ポー詩集」(新潮文庫)P79

まるでディランの書いた詩のようにも思える。
ディランの魂は、ポーのそれと共鳴しているかのようだ。
(ボブ・ディランも黄金郷を求めていたのかもしれない)

浪人時代、当時、ボブ・ディランの最新作だった”Shot of Love”を執拗に(?)薦める講師がいた。その頃、しわがれ声の、決して美しいとはいえないディランのアルバムの良さは僕にはまったく理解不能だった。

今は、ディランの傑作のひとつだと思う。

中で、僕の心の琴線をとらえるのは、伝説のユダヤ人コメディアンに捧げた”Lenny Bruce”と、アルバムの掉尾を飾る”Every Grain of Sand”だ。
(レニー・ブルースは、ザ・ビートルズの「サージェント・ペパーズ」のジャケットにも登場している)

・Bob Dylan:Shot of Love (1981)

Personnel
Bob Dylan (guitar, harmonica, percussion, piano, keyboards, vocals, producer)
Carolyn Dennis (background vocals)
Steve Douglas (saxophone)
Tim Drummond, Donald Dunn (bass guitar)
Jim Keltner (drums)
Ringo Starr (drums on “Heart of Mine”)
Clydie King (background vocals)
Danny Kortchmar (electric guitar)
Regina McCrory (background vocals)
Carl Pickhardt (piano)
Madelyn Quebec (background vocals)
Steve Ripley, Fred Tackett (guitar)
Ronnie Wood (guitar on “Heart of Mine”)
William “Smitty” Smith (Hammond organ)
Benmont Tench (keyboards)
Monalisa Young (background vocals)

シンプルな音作りに内在するド迫力こそがボブ・ディランの真骨頂だ。
劈頭のタイトル曲から抑圧された(?)エネルギーとパワーが噴出する。

聴け、聴け、ディランを。
久しぶりに聴いたボブ・ディランの歌に僕は感激した。

根気と愛のボブ・ディラン 根気と愛のボブ・ディラン

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