悠々

明日はキャリア・カウンセラーの資格試験日。試験の直前というものはジタバタしても始まらない。悠々と構えて本番に臨めばいいのである。とはいうものの、馬鹿にならない受験料や今後のことを考えると一発合格をしなきゃという思いが強くなり、ついついテキストを何度も繰りながら焦りばかりが大きくなっていくのを感じる。

音楽の世界でも評価されるとなると途端に自分の実力を発揮できない人々がいる。あるいは、コンクールで「とにかく入賞を」という意識からあまりに「優等生的」な演奏を披露するピアニストもいれば、あくまで自分の世界を貫き、とても個性的な演奏を繰り広げる芸術家もいる。精神力、つまり根の図太さによってかなりの部分が左右されてしまうのである。

ポゴレリッチのリサイタルを視聴する。

イーヴォ・ポゴレリッチ:リサイタル(DVD)

1980年のショパン国際コンクールにおいて、審査員の一人であるアルゲリッチが彼の合否を巡りボイコットした話はあまりにも有名。結局は予選落ちし、特別賞なるものを受けたポゴレリッチだが、その後の飛ぶ鳥を落とす如くの勢いの活躍は周知の通り。
僕も3度ほど来日公演を聴いているが、ある意味「奇妙奇天烈」といってもいいほど特異な解釈の演奏。とても普段CDなどで聴いて慣れ親しんだ楽曲とは思えないほどどの曲も彼の手にかかれば全く別の知らない曲に料理されてしまうのでびっくりする。だから、逆に、どんな演奏をしてくれるのかが楽しみでコンサートに通ったりもするのだが。

今年の1月の来日公演でも、想像を絶する演奏が繰り広げられた。中で最も感動したのがほかならない誰もが知る小品「エリーゼのために」なのである。ものすごく意外かもしれないが、当初発表されたプログラムには載っていなかったこの通俗曲が彼の魔法の手によって蘇ったといっても過言ではない。ただし、DVDでの演奏は10年以上も前のものなので幾分大人しい(というか当たり前の)演奏であることを付記しておく。

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