温故知新

今までウィーンという街を訪れたのは何回あっただろうか?4回?5回?いずれにせよ、最後に訪問したのは1997年の夏。その年は、ザルツブルク音楽祭にも出掛け、プラハやブダペストを周遊し、とても楽しい夏休みを過ごしたことを思い出す。
ところで、僕が知っているウィーンの街は夏真っ盛りの時期ばかり。ゆえに、7月も後半になるとなぜかウィーンの記憶が蘇り、ウィーンにまつわる曲を聴きたくなる。

20世紀の前半を代表する指揮者であるブルーノ・ワルター。ナチスの台頭後ユダヤ人である彼はアメリカに亡命を余儀なくされたのだが、戦前はウィーン・フィルと良好な関係を築いており、残されている当時の音源はクラシック音楽愛好家にとって喉の渇きを癒す「粋な」音盤として名高い。様々なレーベルからSP復刻版が出ているが、このあたりはそれぞれのプロデューサーの趣味や復刻するSP盤自体の状態という問題が絡むので善し悪しの判断は僕には難しい。

数年前「クラシック・プレス」という雑誌があったのだが、その雑誌の12号に付録として「ブルーノ・ワルター」に捧げるというCDがついていた。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やマーラーの「アダージェット」は有名な録音なのだが、これまでCD化されていないワーグナーの「ファウスト」序曲(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)やシューマンの「マンフレッド」序曲(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)が収録されていることが特長だ。とても70年も前の録音とは思えない、今の時代に聴いてもとても感動的で瑞々しい音が鳴り響く。

ブルーノ・ワルターに捧げる
クラシック・プレス2002年秋号付録CD

※amazonで在庫はあるようなので興味ある方はお早めに。

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