全部を聴きましょう

久しぶりにCDを購入した。数年前なら考えられない事態だが、最近はどうも聴きたいと心底思える音盤が少なくなっているような気がする。

プロコフィエフ:交響曲全集
ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団

ちょっと前に発売され気になってはいたのだが、どういうわけか買わず仕舞いだったのである。

プロコフィエフは半世紀ほど前に亡くなったロシアの天才的作曲家。独裁者スターリンと期せずして同年同月同日に天に召されている。そのプロコフィエフが「体制」と闘いながら時には自らを露骨に表現し、時には迎合し創作した全交響曲を現代の鬼才ゲルギエフがロンドンでライブ録音した期待盤。
「プロコフィエフは理解できない。ノイズだ。」という人が多い。確かに僕も以前はそう思っていた。しかし、通して聴いてみるとそれほどアバンギャルドでもないのだ。おそらくゲルギエフの功績であると思うのだが、彼はその「ノイズ」が「どんなに素晴らしいか」に挑戦し、実際に「素晴らしい」音楽を創出しているのである。

クラシック音楽を極めるコツ。
①ある作曲家を決め、
②そして楽曲ジャンルを決め、
③さらにその全曲、全集を
とにかく丹念に一つ一つ聴き込んでいく。
ということである。小説家の文体が時代と共に変わるのと同様、作曲家の文体にも当然変化がある。そこから時代背景や人間ドラマも見えてくるのである。
とにかく「全部」を聴くこと。これが一番大事。

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