東京では一足早く2週間前に梅雨明けしたものの、そのほかの地域は未だに明けないらしい。確かにあまり夏らしさを感じさせない。寝苦しいほどの熱帯夜もない。例年ほどの暑さを感じないのはそういう影響もあるのかもしれない。
「生い茂った木々の蔭よ、
お前ほど いとしく優雅に やさしいものは なかった、木々の蔭よ」
一昨日の「早わかりクラシック音楽講座」で愛知とし子が「オンブラ・マイ・フ」を弾いた。記憶されている方も多いと思うが、20数年前とあるウィスキー・メーカーのコマーシャルで使われ、一世を風靡したあの音楽である。もともとはヘンデルが作曲した歌劇「セルセ」の冒頭でペルシャ王クセルクセスによって歌われる自然への愛を歌ったアリアだが、久しぶりに聴いて、キャスリーン・バトルが歌う同曲を思い出した。
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ
キャスリーン・バトル(ソプラノ)
ローレンス・スクロバクス(ピアノ)ほか
本当に美しい。当時、神奈川県民ホールでのバトルの来日リサイタルを聴いた記憶がまざまざと蘇る。ともかく涙が出るほど感動的だった。人間の声がこれほどまでに人の心を揺さぶる力を持つのかと、当時20歳そこそこの僕はひとり打ち震え、いわゆる「歌曲」の奥深さを初めて教えてもらったような気がした。
ところで、この11月に東京大久保のスタジオ・ヴィルトゥオージにて愛知とし子が近藤恵三子画伯(岐阜県瑞浪市在住)とのコラボレーション・コンサートを開催する。ここのところ初心者向けの人気曲を中心にしたコンサート(「音浴じかん」や「ランチタイムコンサート」など)が多かったので、久しぶりに心機一転本格的クラシック音楽を堪能できる場にしたいと気合い十分で愛知自身が選曲、ついに予定プログラムが決まった。今から楽しみだ。
第1部
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ
・ドビュッシー:前奏曲集第1巻~「西風の見たもの」、「亜麻色の髪の乙女」
・リスト:巡礼の年第1年「スイス」~第4曲「泉のほとりで」、第6曲「オーベルマンの谷」
第2部
・ブラームス:3つの間奏曲作品117
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調作品101
ちなみに日程は2009年11月6日(金)&7日(土)、定員は70名ほどの予定。お早めにご予約を・・・。
おはようございます。
愛知とし子さんの実演に接した数少ない私の経験から申し上げれば、彼女の一番の長所は、弾いている姿勢がよく、凛とした佇まいで美しく、且つ潔さを感じるところです。
確か平林直哉氏もどこかに書いておられましたが、最近の日本人の若手女性ピアニストの多くは、ほとんどいつも必要以上に眉間にシワを寄せ、体を終始くねらせて弾く人が多いのですが、ほとんどの場合、本当に感じていないから、わざとらしく、カッコよくないです。弾いている姿と出てくる音楽が一致しておらず、演技だとバレバレでわかってしまうから、観ていてシラけてしまうのです。
愛知とし子さんは、そういうピアニストとは一線を画しています。演奏する姿と紡ぎだされる音楽がぴったり一致しています。だからベートーヴェンの演奏など、とても説得力があるのです(他の作曲家の曲も!)。
11月の近藤恵三子画伯とのコラボレーション・コンサート、本格的で素晴らしいプログラムですね!! 私はこの時期東京には行けそうにありませんし、近藤画伯の名画も5月に鑑賞する機会を所用で失ってしまいましたので、いつか中部地方でも同様の企画を実施していただきたく、お願いしたいです。
バトル!
カラヤン指揮ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート1987は、
http://www.hmv.co.jp/product/detail/140247
昔から私の車の中での愛聴盤の中の1枚で、「春の声」での彼女の歌には、今でもしょっちゅう癒されていますよ。もちろんご紹介のヘンデルもいいですね、大好きです。
>雅之様
おはようございます。
>彼女の一番の長所は、弾いている姿勢がよく、凛とした佇まいで美しく、且つ潔さを感じるところです。
>演奏する姿と紡ぎだされる音楽がぴったり一致しています。だからベートーヴェンの演奏など、とても説得力があるのです
なるほど。ありがとうございます。第三者の目から見た意見は貴重です。
>いつか中部地方でも同様の企画を実施していただきたく、お願いしたいです。
諸般の事情で今年は無理だと思うのですが、来年以降調整がつけばありえると思います。まずは今秋のコンサートの成功がポイントですね。
>「春の声」での彼女の歌には、今でもしょっちゅう癒されていますよ。
同じくです。このソプラノ付「春の声」はほんとにいいですよね。
先週はお世話になりました。
一言書きたくて、コントデビューしました!
>彼女の一番の長所は、弾いている姿勢がよく、凛とした佇まいで美しく、且つ潔さを感じるところです。
そうなのです、わたしもいつもそう思います。
弾いている姿も芸術なのです。
もともとスタイルがよくて美人なのでなおさらです♪
聞いたことろによると、某ピアノの大団体では体での表現と称して、体の動かし方(見せ方)を指導する先生もいるそうです。
本末転倒だと思います。
表現したい音楽があって体が自然についてくるなら分かりますが、体で音楽を表現させるため、コンクールでよい点をとるために体の動かし方を教え込むのは、本質とはかけ離れたものではないかと思う次第です。
それにしても、女性ピアニストは体くねらせて眉間にしわ寄せてタイプが多いですね…。
おはようございます。
まーの様のコンサート、魅力的ですね!特に2部、たまらないですね。個人的にも愛して止まない28番をされるとは!是非、都合が合えば行かせて頂きたいと思います!
皆さん、ありがとうございます。
しかし、ほめすぎです。
でも、今後も益々頑張ります
ところで、演奏の評価は、話題にしないことにして
あのランランの特徴ある弾き方。
あまりにも、弾き方が強烈過ぎて
たまに、おもわず真似をしてしまうときがあります。(苦笑)
体の動かし方やら、目線やら・・・
あんな弾き方をされると、全く音に集中して
聴くことが出来ない私。
でも、過去に、私も体を動かすときがありました。
それは、まれなのですが、緊張しすぎて怖すぎて
その緊張や恐怖を皆に悟られないために、
いつもより体での表現でカバーするみたいな行為に走ることがありました。
>じゃじゃ馬さん
こんばんは、初コメントありがとうございます。
>聞いたことろによると、某ピアノの大団体では体での表現と称して、体の動かし方(見せ方)を指導する先生もいるそうです。
へぇ、それは知りませんでした。
>表現したい音楽があって体が自然についてくるなら分かりますが、体で音楽を表現させるため、コンクールでよい点をとるために体の動かし方を教え込むのは、本質とはかけ離れたものではないかと思う次第です。
まったく同感です!
>ふみ君
こんばんは。
なかなか精力的なプログラムでしょ?
都合が合えばではなく、都合を合わせてぜひ来てください(笑)。
>まーの
>あまりにも、弾き方が強烈過ぎてたまに、おもわず真似をしてしまうときがあります。
実演で一度ランラン真似聴いてみたいな(爆笑)。