ジューン・ブライド

ジューン・ブライド。
近年この時期にはよく聞かれる言葉だがもともとの発祥地はヨーロッパ。
ヨーロッパの6月は、雨が少なく晴天続きで結婚式にいかにもふさわしいからという説が有力だそうだ。しかしながら、日本の6月は梅雨の季節で、ヨーロッパとは正反対。この時期に結婚式を挙げるカップルは少なかった。そこで、この暇な季節に集客をもくろんだ結婚式場関係者が、「ジューン・ブライド」をもちこんだと考えられている。

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」を聴く。
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団及び合唱団

この曲はメンデルスゾーンがシェイクスピアの同名の戯曲に基づき作曲した管弦楽曲で、彼の作品の中でも比較的ポピュラーなものである。中でも第5幕の初めに演奏される「結婚行進曲」は誰もが知っている結婚式の定番曲。あまりにイメージがきっちりとできあがっているゆえ、真面目に聴いていると恥ずかしくなるくらいだ。ただし、これだけポピュラーになるだけに旋律は一度聴いたら忘れないものだし、一管弦楽曲として聴いてみるとなるほどそれだけの魅力は充分にある。

ところで、メンデルスゾーンの音楽は一般的には「富裕の生まれで人生において苦労することが少なく、そのためにその音楽は浅薄で深みがない」と評されることが多い。確かにベートーヴェンのような「苦悩」は彼の音楽の中にはない。ブラームスのような「深刻さ」も存在しない。
僕自身も普段音盤を取り出して聴くことはまずない。彼の楽曲が演られるからといってコンサートに通うこともない。

しかしながら、今日のような暑くて気だるい夏の午後にぼーっと聴くにはぴったりな音楽だと思うのだが。

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