親兄弟が一同に揃う元旦の家族団欒。
当たり前の日常にあらためて感謝。
ふとした瞬間にひとりモーツァルトに浸る。
典雅で優しさに包まれた響きの中に、うら悲しさに満ちるヴァイオリンの音色が2012年の第一日目を飾る。ピンと張り詰めた冷たい空気に目を覚まし、内なる「暖」が眠りを誘う。
喜びも哀しみも・・・、第40番のソナタに夢現。
ウィーン時代最盛期のアマデウスの見事な筆致。宇宙と大地が鳴動し、陰と陽がひとつになる。嗚呼、幸せなり。
アマデウスの音の連なりは人々の心を平和にするというが、6つの変奏曲の可憐な「変装」が聴く者を眩惑する。あまりの美しさよ・・・。グリュミオーは「音楽」だけを感じさせる見事なパフォーマンスを披露するが、そこには地味ながら実直な伴奏でサポートするクリーンの存在あってこそ。持ちつ持たれつ、2人がひとつになり「世界」を形成する。
今年はどんな年になるのだろう。様々な憶測が飛び交う中、やっぱり「人類が共生すべくひとつになる」第一歩を踏み出す年になろう。そのために我々はただただ与えられた使命を全うすることか。
喜びも哀しみも・・・、繰り返し聴くたびにモーツァルトが微笑みかける。
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。