人にはそもそも自分を信じる力が備わっている

「自信は実績からしかつかない」。
以前のボスがよく言っていた言葉である。最近は「本当にそうかな?」と思う。つまり、先の言葉は「もとから人は自信がないものだ」という前提でしか成り立たない発想だから。そもそも生まれながらに誰もが「自分を信じる力」を兼ね備えている。それが、様々な体験や生まれ育つ環境に左右されて結果的にその「力」を信じられなくなるわけだから、積み重なるすべての体験を心から受け容れてしまえば「自信」は取り戻せるはずなのでは。そういう意味であえて実績なんて不要(もちろんあってもいいしあるに越したことはない)。仮に誰もが認める実績があったとしても、それが過去のものになってしまえば過去にしがみついてしまっているだけのものだし(いわゆる「過去の人」という存在になるということ)、常に「実績」とやらを創り出し続けない限り自信はあっという間に露と化すなんていうことになってしまう。
他人が認めようが認めまいが、あるいは自分でそう思えても思えなくても誰にだって実績はある。そのことを知り、認めるには、きちんとこれまでの人生を振り返り、克明に自分の生きざまを認識することが大事。自信がないと嘆く前に楽しかったことも辛かったことも、嬉しかったことも悲しかったこともすべて思い出して、どっぷり浸ってみること。矛盾しているようだが、「いまここ」を生きる上でこのプロセスは重要だと僕は思う。

ようやく菊地成孔+大谷能生「マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」を読了した。最高に面白かった。しかし、もう一度読み込もうと計画している。なぜなら、1回目は菊地&大谷の鋭い視点からのマイルスの人生&音楽論をまずは理解し、マイルス・デイヴィスの何者たるやをまずは知ることに集中していたから。2度目はマイルスやその周辺の重要作をじっくりと聴きながらマイルス・デイヴィスという巨人を本当に認める目的で・・・。まずは手元にある音盤を丁寧に聴き込みつつ、確認という意味を込めてこの東大講義録を紐解く(しかし所有していない音盤がある。多少出費は嵩むかもしれないが、知的好奇心が先行し、それを惜しんではいられないという状態(笑)。これまでほとんどきちんと聴いていなかった「クールの誕生」あたりをまずは繰り返すことにするかな。いや、講義の順番から言えばマイルスが少年時に聴いていた音楽あたりを確認するところからか)。

ということで、この宿題は折を見てゆっくりと進めることにして本日のところはチック・コリア。「第7銀河の讃歌」と題するリターン・トゥ・フォーエバーの第3作。

Return To Forever featuring Chick Corea:Hymn Of The Seventh Galaxy

Personnel
Chick Corea(Electric Piano, Acoustick Piano, Organ, Harpsichord, Gongs)
Stan Clarke(Electric Bass, Fuzz Bass, Bell-Tree)
Bill Connors(Electric Guitar, Acoustic Guitar)
Lenny White(Drums, Percussion, Congas & Bongos)

タイトル・チューンは3分半ほどのほとんどインストゥルメンタル・ロック。前2作のもつラテン風雰囲気が後退している点で、好き嫌いがはっきりする作品か。しかしながら、チックのキーボード・プレイはますます輝きを見せ、確信に満ちた響きを各メンバーから引き出す。”Captain Senor Mouse”のうねりと疾走感!!真にかっこいい。
“Hymn of the Seventh Galaxy”
“Captain Senor Mouse”
“Space Circus”…Part2

人には自分を信じる力がそもそも備わっている。

9 COMMENTS

だいぞ

前に言ったかもだけど、自信のある人なんて世の中にはいない
自分を信じている人もいない

自信がないと思ってる人が自信というものがあると思ってるだけで、自分を信じられないと思ってる人に信じられる自分というものがどこかにあると思ってるだけだよ

自信、信じられる自分なんてどこにもないよ
有るとしたら、間違いない、大丈夫だという魂レベルでの揺るがない確信みたいのがあるだけだと思う

この記事で書きたいことは信じる力というより、もっと深い自分を愛すということを言ってる感じがするよ

返信する
岡本 浩和

>だいぞ
この前はありがとう。

>有るとしたら、間違いない、大丈夫だという魂レベルでの揺るがない確信みたいのがあるだけ
>信じる力というより、もっと深い自分を愛すということを言ってる感じがするよ

そっか、その通りだね。ならば、信じるということが自分を深く愛することと同義と捉えてもいいかも。

返信する
愛知とし子

だいぞう様

ありがとうございます。
深いところで、自分を信じて愛してみたいと思います。

返信する
だいぞ

いや、信じるものなんか最初から無いんだから、同義じゃないよ
信じるという言葉の裏には、信じられるないという言葉が着いて回る
疑うことがなかったら、信じるものも無いんだよ
だから、疑うというのは幻想で、ゆえに、信じるも幻想なんだよ
自分を信じるというのは、自分を信じないのと同じことなんだよ
自分を愛すということを言いたいんじゃないの?
って言いたかった

返信する
岡本 浩和

>だいぞ
おはよう。
そうね、自分を愛するっていうことを言いたかったのは確か。

言葉の解釈の問題だと思うけど、よく考えると「信じる」というのは対象物に対して受動的で、「愛する」というのは能動的なニュアンスが感じられるから、やっぱりだいぞが言うとおり「信じるものなんか最初からない」ということなんだろね。

返信する
雅之

息子が昔、学校内の合唱コンクールで歌った歌。
息子のクラスが金賞を取った思い出の曲です。

合唱 
「信じる」
作詞 谷川 俊太郎
作曲 松下 耕
 
 笑うときには大口あけて
おこるときには本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに理由はいらない
 地雷をふんで足をなくした
子どもの写真目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち
 葉末の露がきらめく朝に (私は信じる
何を見つめる子鹿のひとみ  私を信じる
すべてのものが日々新しい  あなたを信じる
そんな世界を私は信じる   世界を信じる)
(葉末の露がきらめく朝に 
何を見つめる子鹿のひとみ)  
すべてのものが日々新しい  
そんな世界を私は信じる
信じることは生きる源
信じることは生きる源   
(la〜 la la la〜 la la
la la la la la〜 la)
la la la la la la la la
la la〜 la la〜 la
la- la〜 la- la-
la la la la la〜〜
 私は信じる

http://www.youtube.com/watch?v=8tQ1-JDSAO8

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