生と死の幻想

jarrett_death_and_the_flower.jpg自然に四季があるように、人間にもバイオリズムがある。桜は毎年同じ時期に花を咲かせ、実をつけ、そして枯れ、翌年また生まれ変わる。自然の大いなる力の前に人間の意志などまったく相手にならない。

くよくよ悩まず、あるべき姿に戻り、正しいと直感する方向だけしっかり定め、あとは流れに任せる方が良い。さすれば、なるようになる。それも最善の場所に行き着くのである。

久しぶりにオスカー・ピーターソンとアンドレ・プレヴィンのデュオを聴いて(観て)、痺れた。かつてポール・マッカートニーとスティーヴィー・ワンダーが「エボニー・アンド・アイボリー」で人類の調和を歌ったが、それより前にジャズ界を代表する黒人&白人ピアニストがまさに「ひとつ」になって音楽を奏でた類稀な瞬間であると僕には思えてならない(多分に大袈裟だが)。

明日、「ワークショップZERO」の第1日目。今回は変則スケジュールだ。「自分を知り、認め、そして受け容れることでありのままの自分に戻れる」ということ、そしてそのことにより「本来持っている『人間力』が回復向上するのだ」ということを体感しよう。

Keith Jarrett:Death and the Flower

Personnel
Keith Jarrett(p, ssax, osidrum, wflute, per)
Dewey Redman(tsax,per)
Charlie Haden(b)
Paul Motian(ds, per)
Guilherme Franco(per)

美しい・・・。「エロス・タナトス」という言葉通り、死の中にこそ愛、エロスがあるのではないかという錯覚に襲われるほど透明。すべて一体だ。

“Death and the flower”(生と死の幻想)~Keith Jarrett  1974.12.5

We live between birth and death,
Or so we convince ourselves
Conveniently,
When in truth we are being born
And
We are dying simultaneously
Every eternal instant
Of our lives

我々は生と死の間に生きている。
あるいは都合よくそのように自分自身を
納得させている。
実際、我々が生まれる時
生のあらゆる永遠の瞬間に
同時に死につつあるのである。

We should try to be more
Like a flower,
Which every day experiences
Its birth
And death,
And who therefore is much
More prepared
To live
The life of a flower

我々は
より花のようになろうと努力した方がいい。
花は毎日生と死を経験しているからだ。
したがって、花のように生きるよう準備をするのだ。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
Keith Jarrett:Death and the Flower 最高ですね、美しいです。
ところで、以前コメントで話題にしました、私が昔実演に接し感動したKeith Jarrettが弾いたモーツァルトのピアノ協奏曲第23番の内、第2楽章と第3楽章の演奏、YouTube上で発見しました。
Keith Jarrett plays Mozart (K. 488: 3. Allegro assai)
http://www.youtube.com/watch?v=TRkXKgbVNvI&feature=PlayList&p=BDE60E70FB073DFF&playnext=1&playnext_from=PL&index=17
Keith Jarrett plays Mozart (K. 488: 2. Adagio)
http://www.youtube.com/watch?v=NL9aEdOT_6s
彼はモーツァルトでも最高のピアニストだと思っています。

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岡本 浩和

>雅之様
こんばんは。
キース・ジャレットは楽譜を見ながら演奏してますが、多分に即興的なんでしょうね。モーツァルトの時代は現代のジャズ演奏のようにインプロヴィゼーション尽くしだったでしょうから、こういう演奏こそが実は本流なのかもしれません。
それにしても、実演に接しておられるとは羨ましい限りです。

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