ソビエト音楽は決して侮れぬ

先日の八王子での講座の後、ご来場いただいた音楽愛好家仲間のYさんとお茶をした。
その際、音楽の様々な話題で盛り上がったのだが、ストコフスキー好きの彼がディスクユニオンで売却しようとされていたストコフスキー関係の音盤を譲っていただいた。ショスタコーヴィチとハチャトゥリアンが収められたものを1枚。残念ながら、僕はストコフスキーについてはまったく疎い。有名な録音はもちろん聴いているが、それでも自分で所有するものは数えるほどで、きちんと聴いたことがなかった。
しかしながら、よくよく調べるとショスタコーヴィチの第6交響曲のアメリカ初演もストコフスキーが担ったようだし、ハチャトゥリアンの第3交響曲も同じく初演の棒を振ったことを知り、ロシア音楽を十八番にしているストコフスキーの録音をこのあたりでもう少し真面目に聴かなきゃいけないだろうと、少し反省モードに入った。

いただいたこの録音が何とも素晴らしい。

ショスタコーヴィチ:
・交響曲第6番ロ短調作品54
・「黄金時代」組曲作品22a
ハチャトゥリアン:交響曲第3番ハ長調作品67
メアリー・サウアー(オルガン)
レオポルド・ストコフスキー指揮シカゴ交響楽団(1968.2.20&21録音)

ハチャトゥリアンの第3交響曲というのは初めて聴いた。この単楽章の音楽はプログレッシブ・ロックのイディオムに近い。途中に難易度の高いオルガン・ソロが入るが、イエスやE, L&Pの音楽を聴いているときの感覚と極めて近いものを持ち、戦後すぐの作品とは思えないほどの聴き易さとポピュラリティーを獲得した作品だと一聴思った。ここには抒情があり、そして闘争があり、ショスタコーヴィチと同じくあまりに人間臭い音楽がある。
それに、「人間っぽい」という視点ではストコフスキーの力量というのも大いに左右しているのでは・・・。少なくとも僕の少ないストコフスキー体験において、彼の音楽はあまりに人間味豊かだから(三島由紀夫が自身で監督した「憂国」のBGMもストコフスキー編曲によるワーグナーの「トリスタン」を自身が録音したSP盤だというのもそのことを物語る)。
いや、素晴らしい作品だ。

そしてショスタコの第6番。
何もしていないような、極めてオーソドックスな演奏のように思うが、シカゴ響のポテンシャルを十分に活かした結構はち切れたもの。地に足のついた重心の低い音楽、第3楽章など意外に遅めのテンポなのだけれど、その分楽器のソロが意味深く聴こえ、これに慣れるとこの方がいいかもなどと思えてくる。

いずれにせよ、これから少しこの音盤を聴き込んでみよう。
20世紀のソビエト音楽は侮れぬ。


4 Comments

雅之

こんばんは。

なるほど!! ストコフスキーのショスタコとは盲点でした!!

(ハチャトゥリアンの第3交響曲というのも、曲自体私も未聴です)

じつはこのところ、ずっと、ザンデルリンク&ベルリン響のショスタコの音盤
http://www.hmv.co.jp/product/detail/103415
のことばかり想い続けていたのですが、ストコフスキーとは意表を突かれました!!
これは聴いてみたいです。

いやあ、ショスタコの交響曲ってキャパシティ広いですねぇ(笑)。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1417380

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
いやいや、僕もノーマークでした。ストコフスキー命とおっしゃる(笑)Yさんから偶然いただいたもので、意外に(?!)良かったものですから、これはいろいろと聴いてみたいなぁと思っていたところです。
結構ショスタコとは縁が深いようなので聴き甲斐あるように思います。

>ショスタコの交響曲ってキャパシティ広いですねぇ

広いですね。ご紹介のザンデルリンクもカラヤンも名演奏ですよね。人間ドラマですから誰がどんな風に演奏しても面白いんだと思います。

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