ストーンズは先進的だ

今日も暑かった。

そういえば昔、The Beatlesを聴き始めの頃、仲間内ではThe Beatles派とThe Rolling Stones派に二分されていた。僕は間違いなくThe Beatles派。正直言ってストーンズのどこが良いのかさっぱりわからなかった。それでも”After Math””Beggars Banquet”などは後々になってそのグルーヴ感と黒っぽさに痺れて随分聴き込んだのだが、問題作と言われていた”Their Satanic Majesties Request”に関してだけはいつまでも理解できなかった。
このアルバム、巷では”Sgt. Pepper’s”への回答だともいわれていたが、ただビートルズの最高傑作の二番煎じで、一方はトータル・アルバムの金字塔として君臨していたけれど、こちらはどうにもこうにも雑多に入り乱れ、まったくストーンズらしさに欠ける駄作だと決めつけきちんと聴かずにレッテルを貼っていたというところもあった。

しかしながら、さすがはBrian Jones(ブライアンはストーンズの方向性とは違うということで否定的だったというが、真相はどうなんだろう?この第三世界的音響はブライアン・ジョーンズの為す技だと思うのだけれど)。単なる真似事でなく、こういう混沌の中にこそまたストーンズのストーンズらしさが垣間見えるのである。ウィットに富み、色彩豊かなこれほど愉しいアルバムはなかなかない。ちょうど45年を経た(1967年2月~9月、ロンドンにて録音)今でも廃れない「悦び」と「開放」がここには感じられる。
例えば、”In Another Land”はBill Wymanが作曲し、自身で歌った最初のものだし(これがなかなか渋くていい)、傑作”She’s a Rainbow”は、何とLed Zeppelin発進前のJohn Paul Jonesがストリングス・アレンジを担当しているのである。何とも豪華な(それだけで痺れる・・・笑)!!

The Rolling Stones:Their Satanic Majesties Request

She comes in colours everywhere
She combs her hair
She’s like a rainbow
Coming colours in the air oh everywhere
She comes in colours.

彼女はどこにでも派手やかに姿を現す
髪をとかして
まるで虹のよう
本当にどこにでも派手やかに
やって来るんだ。

通して聴き終えて思うのは、カオスでも無秩序でも何でもなくまさに音楽の宝庫だということ。
ここにこそローリング・ストーンズの、というより1960年代のポピュラー・ミュージックの空気感を代表するものが含まれ、これによって来る70年代の音楽が先取りされているように今の僕には思える。

ストーンズは先進的だ。そして、メンバー・チェンジがあれど(途中休止期間があっても)現在も継続しているところが偉大だ。


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。

まあ、今回だっていかにも私の考えそうな内容の手抜きコメントだろうけど、許してつかわさい。

しかし、あれですなあ、1969年7月って、アポロ11号が月着陸しただけじゃござんせんよ旦那!!
調べてみりゃ、まず、死んだ著名人の取合せが意外ですぜ。

7月2日 – 成瀬巳喜男、映画監督(* 1905年)
7月3日 – ブライアン・ジョーンズ、元ローリング・ストーンズのギタリスト(* 1942年)
7月5日 – ヴァルター・グロピウス、建築家(アルマ・マーラーの恋人)(* 1883年)
7月5日 – ヴィルヘルム・バックハウス、ピアニスト(* 1884年)
http://ja.wikipedia.org/wiki/1969%E5%B9%B4

死んだ年が同じっていうのは「逆同い年」っていうのかな。不思議な縁だと思われませんか?旦那。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
いやあ、歴史の興味深さここにありですね。
いわれてみればそうですが、これまで気がつきませんでした!
不思議です、驚きです。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む